この実証実験は、バス車内に設置したBLEスキャン搭載の計測用スマートフォンを通して、乗客が持つスマートフォンなどが発信するBluetooth信号を検知し、バス車内のリアルタイム混雑度を算出するもの。専用機器の開発やバス車内への車載器の設置が不要で、計測用スマートフォン1台で混雑度の算出が可能になる。
加えて、実験で使用する3台中1台のバス車内に定点カメラを設置し、実際の車内混雑度とBLEスキャンにより算出した混雑度を比較し、データ精度の検証も行う。

混雑度は、青：空席あり、黄色：立ち客あり、赤：立ち客多い、の3段階とし、各色のアイコンを路線図上に表示する。ユーザーは、混雑情報提供サイト(https://ble-demo-exp.pass.navitime.jp/html/index.html)を通して、計測用スマートフォンで取得するバスの現在走行位置と、どのバスがどのくらい混雑しているかを車両ごとに確認できる。ベビーカーや車いすでの移動時には青アイコンのバスを利用して混雑を回避するなど、安心・安全・快適な移動を行うための情報提供にもつなげたい考えだ。

実施期間は、1月13日から2月11日まで、関東自動車が運行する宇都宮駅西口～西川田東(江曽島)間の路線バス3台を使用する。


ナビタイムジャパンは、蓄積した混雑情報を分析し、平日・休日の傾向の違いなど混雑情報の精度向上や、ナビタイムジャパンの持つ突発的なイベント時のルート検索データなどのビッグデータと掛け合わせることで、未来の混雑予測情報の提供などを行う方針だ。

また、今回のような低コストかつ運用や計測の手間がかからないシステム提供を目指しており、将来的には、OD(乗降人員)データから区間ごとにバスの乗降客数を分析し、ダイヤ改正や路線改定に活用するなど、バス事業者向けの法人利用にも役立てられるよう、開発を進める方針だ。