NearMe、長野県飯山市の「相乗りタクシー」実証に参画 JR東日本と連携し配車システムを提供
2025/10/2(木)
タクシー相乗りサービスを手掛けるNearMe(以下:ニアミー)は、長野県飯山市が実施する「いいやま相乗りタクシー」の実証実験に参画する。ニアミーは、JR東日本が開発するシステムと連携し、配車システムの提供を担当。市民から観光客までが利用できる持続可能な地域公共交通のモデルを構築し、地域の移動課題解決を目指す。
今回の実証実験は、飯山市、野沢温泉村、木島平村の広域エリアを対象に行われる。利用者は、ニアミーのWebアプリまたは電話で乗車を事前予約。ニアミー独自のAIが、目的地の方向や時間帯が近い利用者同士をマッチングし、1台のタクシーで効率的に送迎する。相乗り相手がいない場合でも、1組だけで運行される。
この取り組みは、日本版MaaS推進・支援事業の一環として実施されるもので、地域のタクシー事業者(長電バス、長野交通、戸狩ハイヤー)が運行を担う。料金は、通常のタクシーメーター料金を基準に、相乗りが発生した場合は乗車距離や組数に応じて20~30%の「相乗り割引」が適用される。
さらに、飯山市民のうち高齢者などを対象とした「特定市民割引」も設定。対象者は、JR東日本が発行する交通系ICカード「Suica」と連携した割引クーポンを取得することで、相乗りなしでも75%、相乗り時は80%という大幅な割引が受けられる。これにより、日常生活の足の確保という地域住民が抱える課題にも対応する。
ニアミーはこれまで、空港送迎サービス「エアポートシャトル」を中心に事業を展開し、独自のルーティング技術を確立してきた。今回の実証実験では、その技術とノウハウを地域交通の課題解決に応用する。JR東日本が開発するシステムとの連携により、観光客と地域住民の双方にとって利便性の高い、シームレスな移動サービスの提供を目指す。
実証実験は、飯山市民(特定市民)向けには10月1日から、観光客向けには10月15日から予約受付を開始。ニアミーは、この取り組みを通じて、持続可能な地域公共交通の新たな選択肢を提示し、地方における移動課題解決のモデルケースを構築していきたい考えだ。