新潟市でMaaS実証開始 市民向けアプリ「りゅーとなび」 をまちづくりに活用
2020/11/25(水)
建設コンサルタントのエヌシーイー株式会社(以下、エヌシーイー)、新潟交通株式会社(以下、新潟交通)、日本ユニシス株式会社(以下、日本ユニシス)、長岡技術科学大学は、新潟市の住民向けMaaSアプリ「りゅーとなび」を活用し、新潟市でのMaaS実証実験を12月1日から実施すると発表した。
実証実験で行う内容は、(1)MaaSアプリ「りゅーとなび」の検証、(2)まちづくりへのデータ利活用、(3)データ利活用ビジネスモデルの構築の3項目だ。詳細は以下の通り。(1)MaaSアプリ「りゅーとなび」の検証
「りゅーとなび」は、ルート検索機能に加え、市内商業施設等で利用できるクーポン配信機能も備える。また、クーポン使用履歴やGPS移動軌跡によるデータ取得や地域ICカード「りゅーと」との連携も行う。(2)まちづくりへのデータ利活用
実証を行う4者は、3つのユースケースを挙げている。【ユースケース1 まちづくりの効果計測】
「まちなか滞在時間」や「まちなか周遊距離」等を計測し、施策検討にフィードバックする。アンケート調査と違い長期的・継続的にモニタリングできる点がメリットで、長期計画で実施するまちづくりの効果を把握し、継続的にPDCAサイクルを回すことが可能だ。
【ユースケース2 まちなか周遊行動分析による連続性の高い歩行空間の検討】
MaaSアプリによる移動データ (クーポン使用履歴、GPS移動軌跡)とICカードデータから周遊行動を分析、細やかな動きを把握して連続性の高い歩行空間の検討を行う。また、新モビリティ導入を含めた都心軸の具体的な施策検討に活用できる。
【ユースケース3 マルチモーダルなデータの利活用】
・一般自動車のデータ(プローブ、駐車場満空)
駐車場の満車時間帯について、来街者のOD・経路を分析、パーク&バスライドなどのより効率的な都心部アクセス方法の施策検討が可能。
・タクシーのデータ(タクシープローブ)
ICカードデータと重ねて分析することで、オンデマンドバスのエリア拡大などバスとタクシーの棲み分けの具体的な施策検討に生かせる。
(3)データ利活用ビジネスモデルの構築
まちなか移動データをビジネスに活かすための方策や、各種データ提供を促すための方策(経営判断材料)を検討する。4者が発表したプロジェクト概要では、「データ使用料等の直接収入」や「まちなかの活性化による本来事業の収入増加等の間接収入」を認識することが合意形成につながると考えられている。まちの活性化戦略に生かす
実験は12月1日から来年の2月28日まで実施する。複数の移動手段の提供や、移動目的と移動手段を統合させて利用者に提供。利便性を高めることで、地域内の移動総量の増加や公共交通利用への行動変容の促進に効果があるか検証する。新潟市中心部のさらなる活性化施策の立案に役立てる狙いだ。なお、この実証実験は、「スマートモビリティチャレンジ」の先進パイロット地域(経済産業省事業)として選定されている。