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NTT Comら、自動運転バスの安全性や実用性を評価する実証実験実施

2022/10/24(月)

小型バス(7人乗り、写真上)
小型EVバス(8人乗り、写真左)
大型バス(13人乗り、写真右)

エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)らは、愛知県常滑市で自動運転サービスの実用化を目指し、安全性や実用性を評価する実証実験を10月28日から行う。10月13日付のプレスリリースで明かした。

NTT Comと株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、自動運転のビジネスモデル構築をめざす「愛知県自動運転社会実装モデル構築事業」に参画している。同実証実験は、この事業の一環として実施する。アイサンテクノロジー株式会社(以下、アイサンテクノロジー)や埼玉工業大学(以下、埼工大)など計7者が同事業に協力する予定だ。

同実証実験は、愛知県常滑市中部国際空港、常滑市りんくう町、常滑駅周辺の公道で、2つのルートを想定し実施する。一つ目のルートは、空港利用者の乗車を想定した中部国際空港と常滑市りんくう地域を結ぶルートだ。自家用車を常滑市りんくう地域に駐車して空港行きのバスに乗る「パークアンドライドルート」における将来的な運行を想定している。

二つ目のルートは、観光客の乗車を想定したりんくう地域や常滑駅周辺を周遊できるルートだ。りんくう地域や常滑駅周辺に点在する商業施設・集客スポットを周遊できる「市街地ルート」における将来的な運行を想定している。

この2つのルートで、自動運転バスを3台同時に運行し、1人の監視員が遠隔から監視する。実施日は、10月28日、および10月31日から11月6日までの計8日間だ。

使用する自動運転バスは、小型バス(7人乗り)、小型EVバス(8人乗り)、大型バス(13人乗り)の予定だ。3Dマップの作製、および走行調律作業はアイサンテクノロジーが担当し、車両の提供は埼工大が担当する。

また、同実証実験では、走行ルート上や車両内に設置した複数のカメラ(路側/車載カメラ)を5Gなどに接続して映像伝送し、複数車両の運行状況を遠隔管制室で一元的に監視する。一元的な監視をより簡易にするために、路側カメラから取得した映像に対してAI映像解析などの技術を活用する。これにより、遠隔の監視員がより早く危険を検知することが可能になる見込みだ。

さらに、路側カメラは、専用の機材を用意することなく、スマートフォンで高精細な映像を低遅延で伝送する。車載カメラは、遠隔監視の複数の画像を統合し、車両周囲の死角が少なくなるような映像を伝送する。これらの技術によって、さらなる自動運転車両の安全な運行と監視員の負荷軽減を目指す。

くわえて、同実証実験は、愛知製鋼株式会社(以下、愛知製鋼)が提供する磁気マーカシステム「GMPS」を活用し、日本初の取り組みとなる磁気マーカを活用した自動車専用道路における自動運転を行う。一般道、および自動車専用道路(中部国際空港連絡道路)の一部に敷設した磁気マーカによる自己位置推定をGNSS※と併用することで、悪天候時における自動運転の安定性を評価する。また、GNSSを活用した自己位置推定が困難な自動車専用道路の料金所にも磁気マーカを敷設し、走行の安定性を高める。

※ Global Navigation Satellite Systemの略。人工衛星から発信される電波を用いて測位を行う技術(愛知製鋼プレスリリースより)

ほかにも、機械学習により、携帯電話の位置情報から取得する、場所・曜日・時間帯ごとの人の移動に関するビッグデータを分析・活用することで、移動需要予測を実施する。同実証では、パークアンドライドルートにおける実運用を想定し、混雑が予想される場合には定時運行便に加え、もう1台を配車することにより、利用者の利便性を高める。

なお、NTT Comとドコモは、同実証の結果を踏まえ、行政、交通事業者、自動運転技術提供者、利用者やサービス提供企業などの関係者とともに自動運転の社会実装を推進していくと述べている。

(出典:ドコモ Webサイト、アイサンテクノロジー Webサイト、および埼工大 Webサイトより)

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