パナソニックコネクト、自動運転向けBeyond 5Gネットワークの実証実験開始
2022/12/19(月)
パナソニック コネクト株式会社(以下、パナソニック コネクト)は、5Hにミリ波無線LANとセンシング技術を導入した自動運転向けBeyond 5Gネットワークの実証実験を開始する。12月16日付のプレスリリースで明かした。
5Gネットワークは、面的なサービスを提供できる一方で、電波の到達範囲が限定的で多数の基地局を必要とする。このため、結果的に多くのエネルギー消費を必要とするという課題がある。これに対し、今回の実証に利用するミリ波無線LANは、干渉源となる他の無線局が比較的少ない60GHz帯を用いており、ギガビット級のスループットを高安定に伝送できる。同時に、ミリ波無線LANは、5Gネットワークに比べ、低消費電力であることからエネルギー効率に優れている。
しかし、ミリ波は直進性が高く、遮蔽環境での使用が難しいため、従来はスポット的なサービスでの利用が主だった。このため、面的なサービスやモビリティ用途へ適用するための技術開発が必要となる。
同実証では、自動運転時に利用する5G等の無線通信ネットワークのエネルギー効率の課題を解決するため、電力効率に優れたミリ波無線LAN(60GHz帯無線LAN)を導入する。これにより、ネットワーク全体のエネルギー効率を改善する。
さらに、同技術では、伝搬路の遮蔽等によるミリ波無線LANの伝送品質劣化に対し、センシング技術と組み合わせて劣化を事前に予測する。これにより、最適なタイミングで5Gネットワークに切り替え、途切れずサービスを持続できる。同技術は、パナソニック コネクトが開発した世界初の技術(同社調べ)だ。
また、横浜市も、「I▫TOP横浜」を通じて実証実験を支援し、IoTやAIなどの先端技術を活用した生産性向上や社会課題の解決への貢献、新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいる。今回の実証も、「I▫TOP横浜」の取り組みとして、12月19日~12月23日に、臨港パーク管理用通路、および周辺スペースで実施する予定だ。
なお、同社は、今回の実証を通じ、社会実装に向けた課題の抽出と、さらなる機能の改善に取り組むという。さらに、「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」をパーパスにかかげ、現場にイノベーションをもたらすことで多様な人々が幸せに暮らせる、持続可能な社会の実現を目指していくと述べている。