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パナソニックはどのような技術を武器に変化の波を捉えようとしているか  

2018/1/17(水)

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社オートモーティブ開発本部長の水山正重氏

パナソニックがモビリティ分野で存在感を高めている。従来から車載インフォテイメントやナビの領域では強みを発揮してきたが、これに加えてセンサーや画像処理、リチウムイオン電池など民生で培ってきた多様な技術を生かして、ADAS・自動運転や電動化など車両のコア領域へと切り込もうとしている。同社のオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社オートモーティブ開発本部長の水山正重氏は「これから起こるモビリティ分野の変化に対応し、技術で課題を解いていく」と意気込む。パナソニックがどのような技術を武器に変化の波を捉えようとしているかを探った。

  [この記事は「ReVision Auto & Mobility」からの提供(goo.gl/YBup2n)]

2017年10月、横浜市内の同社試験場には多くの報道陣が集まった。電機メーカーながら小型の電気自動車(EV)を独自開発し、自動運転デモ走行を公開したためだ。続いて翌月にはこのEVコミュータを使い、福井県永平寺町の公道に準じた環境で自動運転の実証実験を進めていることを公表。また、12月にはトヨタ自動車とEV向け角形車載電池で協業を検討することを発表し、国内外から大きな注目を集めた。

「CASE(Connected、Autonomous、Shared&Services、Electric)と呼ばれている4つのトレンドの影響、地殻変動のすさまじさは強く感じている。2030年にかけて、これから社会も大きく変わっていく」と、水山氏は語る。

「民生で培った様々な技術が生きてくる」

クルマの常時接続から知能化、それに伴うADAS・自動運転の進化、電動化およびシェアリングへの流れ――。パナソニックでは、こうした変化に対応するため、昨年4月からオートモーティブ開発本部を新たに設置。総勢500人以上で車載に関連する広い技術領域に横串を通してカバーする体制を整えた。同社の車載関連の売上は本年度1兆6千億円を見込み、21年度には1.5倍の2兆5千億円まで伸ばす計画。世界メガ・サプライヤーの一角を狙っている。

もとより、インフォテイメントや車載OSなど「IVI(イン・ビークル・インフォテイメント)」は得意領域だった。今はこれに加えて、安全や運転自動化を支援する「ADAS・自動運転」領域でもセンシングや画像処理の技術を武器に事業拡大を図ろうとしている。さらに、この二つの情報系・制御系が相互リンクするコックピット内のHMIやドライバモニタリングなどにも力を入れ、電動化では電池や駆動システムなどにも技術提供が可能だ。幅広いテクノロジーを一体で提供できるのは強みとなっている。

「我々がこれまで様々な事業分野と民生で培ってきた技術が相当生きてくる」と、水山氏は自信をのぞかせる。

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