パイオニア、「3D‐LiDARセンサー」搭載の自動運転シャトルバスをシンガポールで実証開始
2018/11/7(水)
パイオニア株式会社は、シンガポールの自動運転関連スタートアップ企業MooVita Pte Ltdと、シンガポールの高等教育機関である「Ngee Ann Polytechnic(ニーアン ポリテクニック)」構内で、パイオニアの「3D-LiDARセンサー」を搭載した自動運転シャトルバスを使った実証実験を開始すると発表した。両社は、本実証実験を通じて、自動運転レベル4のサービス商用化を目指すとしている。
MooVitaは、自動運転に関する技術開発を推進するシンガポールの科学技術庁「A*STAR」(Agency of Science, Technology & Research)出身者により創設されたスタートアップ企業で、シンガポールのほか、マレーシアやインドで自動運転関連事業を開発、展開している。シンガポールの公共道路で自動運転車両を初めて走らせた団体の1つでもある同社は、都市向け完全自動運転のソフトウェアソリューションを開発している。
「3D-LiDARセンサー」は、レーザー光で対象物までの正確な距離を測定し、遠方や周辺の状況をリアルタイムかつ立体的に把握できるため、レベル3以上の自動運転の実現に不可欠なキーデバイスだ。パイオニアは、2020年以降の量産化を目指し、高性能で小型かつ低コストなMEMSミラー方式の「3D-LiDARセンサー」の開発を進めており、本年9月下旬より、計測距離と画角が異なる「3D-LiDAR センサー」3種 4モデルを国内外の企業に順次提供開始している。また、これらの「3D-LiDARセンサー」を活用した高精度の「物体認識アルゴリズム」および「自車位置推定アルゴリズム」の開発を進めていく。
今後、パイオニアは「3D-LiDARセンサー」やアルゴリズムなどに関する知見・技術を提供し、MooVitaは自動運転ソリューションの開発を進めることで、自動運転の早期実用化およびサービス商用化を目指す方針だ。