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プレ・シンギュラリティとモビリティをテーマに年次大会開催 日本未来学会

2017/11/27(月)

日本未来学会、年次大会開く

12月19日、日本未来学会の年次大会が開催されました。

講演を主とした2部構成で、第1部のタイトルは「プレ・シンギュラリティで世界はどう変わるか」、第2部は「クルマがなくなる日? ~“ホモ・モビリタス”の未来」。

自動化とAIが世の中をどう変えていくかをテーマに様々な分野の専門家が登壇し、未来を考えました。

[LIGARE vol.31 (2017.1.31発行) より記事を再構成]


第一部 プレ・シンギュラリティで世界はどう変わるか

タイトルにあるプレ・シンギュラリティという言葉はAIが人間の頭脳を超える「シンギュラリティ」よりひとつ手前の段階を意味し、シンギュラリティに先んじて起きるであろう大規模な社会の変化という意味合いで使われています。第1部ではプレ・シンギュラリティを控えた今、世界がどう変わっていくのかを考えます。

まず登壇したのは駒澤大学経済学部講師の井上智洋氏。AIの発達が社会にどう影響を及ぼすか、経済という観点から考えます。

 

駒澤大学経済学部講師の井上智洋氏。
経済という観点から、AIが社会に及ぼす影響を考察しました。



井上氏によるとほとんどの仕事はAIがとってかわり、現在のような人が労働力を提供して経済を動かす仕組みは成り立たなくなります。働く必要のなくなった人々を養う方法とその財源が課題となりますが、井上氏はその方法としてはベーシックインカムの完全支給、資金源としてはAIが生み出す利益の配分を提案しています。さらにシンギュラリティ後の社会について、井上氏はAIが仕事を完全に担うまでの過程にひとつの懸念を提示します。それが、AI保有者と非保有者との間の経済格差です。

AIが労働を担うようになれば賃金はAIに、ひいてはAIを保有する層に流れます。それまで労働によって賃金を得ていた人々には流れなくなり、その差が大きくなっていくという説です。18世紀末の産業革命でも同様の事例が起こっており、失業と経済格差拡大を恐れた労働者たちが工場の機械を打ち壊したという事実があります。シンギュラリティによる“産業革命”は前回とは比べものにならないほど大きな変化を及ぼすという見解もあり、この経済格差をどう乗り越えるかで、人類の発展の仕方が大きく変わっていくとさえいわれています。労働とその対価としての賃金という仕組みから離れた人類は、どこへ向かうのでしょうか。

このほか第1部では、井上氏と日本未来学会会長の公文俊平氏によるミニ対談、NPO市民科学研究室代表の上田昌文氏による、汎用AIが人間にとってかわる未来への疑問の投げかけ、日本トランスライフ協会の中島新氏によるブレイン・マシンインターフェイスの最新動向の紹介などが行われました。

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