自動改札機対応の新型QRコードリーダー開発 歩きながらスムーズに読み取り
2020/9/8(火)
株式会社デンソーウェーブとJR東日本メカトロニクス株式会社は共同で、自動改札機などにおけるQRコード※1付き乗車券への対応を可能とした新しいQRコードリーダーを開発した。
交通サービスにおける乗車媒体として、一部の事業者で利用が始まっているQRコード。このQRコードを交通サービスの乗車媒体として利用するためには、自動改札機における乗客の通過をスムーズに実現することが重要となる。そこでQRコードリーダーの“読み取り速度向上”と“読み取り範囲拡大”を目的とし両社は研究開発を行った。※1 QRコードおよびSQRCは株式会社デンソーウェーブの登録商標。
今回の開発では従来製品※2と比較して読み取り速度を1.5倍に、読み取り範囲を約2倍※3に向上させることに成功した。また、スマートフォンのディスプレイに表示させたQRコードについても、紙に印刷したQRコードと同等の読み取り速度で処理を行うことが可能となる。このことにより、歩きながらQRコードをかざした際に、スムーズな自動改札機の通過の実現に貢献することが可能。
※2 組み込み式スキャナ「QB30(デンソーウェーブ製)」と比較。
※3 QRコードのセルピッチ(=0.68mm)時の最大読み取り範囲。
※3 QRコードのセルピッチ(=0.68mm)時の最大読み取り範囲。
コードリーダーのサイズは幅80mm×奥行120mm×高さ50mmと、読み取り速度や読み取り範囲を向上させつつ、自動改札機に組み込めるサイズへと小型化を実現している。
さらに将来的な機能拡張として、通常のQRコードだけでなく、公開・非公開情報を一つのQRコードに格納し、特定の暗号キーを持った機器のみ非公開情報の読み取りができる「SQRC」や複製防止QRコードにも対応する。
今後は、製品化に向け鉄道事業者をはじめとする交通事業者各社に対して、鉄道・交通におけるQRコードを用いた新しいサービスの利用を提案し、活用・導入の実現に向けた取り組みを進めていく。