BIPROGY、三重交通にL-PASS提供開始 三重交通グループアプリに活用
2022/5/16(月)
BIPROGY(旧社名、日本ユニシス) は、三重交通グループホールディングスに地域交通DXサービス「L-PASS(エルパス)」の提供を開始した。5月11日付のプレスリリースで明かしている。
多くの地域においては、人口減少やマイカー依存による郊外の発展、さらにコロナ禍での生活者の行動範囲縮小により、公共交通の利用者減少やまちなかの活力低下など、地域公共交通を取り巻く環境がより深刻になっている。この状況打破に向けて各地域においては、MaaSに代表されるデジタル施策によって、地域公共交通の利便性向上による利用者増を目指し、持続可能な交通サービスの実現に取り組む交通事業者や自治体が増加している。このような状況下、三重交通グループは、ICT・AIなどのデジタル活用を推進し、交通サービスの利便性向上と利用活性化に取り組んでいる。「L-PASS」は、地域を代表する交通事業者や地方自治体向け提供する、生活者MaaSの基盤となるアプリケーションサービスだ。地域全体で生活者や来訪者の外出と消費行動を促進するUXにより、生活者の移動総量を増やすことでまちなかを振興し、さらに公共交通利用への行動変容も促す。
BIPROGYは、金沢市と新潟市でMaaSおよび移動データ利活用の実証実験を2021年12月から行っている。同実証実験は、経済産業省 令和3年度「地域や業種をまたがるモビリティデータ利活用推進事業」に選定されたものだ。L-PASSは、生活者MaaSアプリ(新潟:りゅーとなび、金沢:い~じ~金沢パス)として、先行的に試用されている。
「L-PASS」の特徴は、生活者の移動需要を高めるUI/UXやまち全体のデジタル化施策を実現する機能だ。外出の目的選択を起点に、公共交通から提案される経路検索までをシームレスに提供することで、生活者の外出意欲を刺激、新たなエクスペリエンス獲得を促す。さらに、BIPROGY提供の電子チケット流通サービス「Kimaticke(キマチケ)」と連携している。これにより、ユーザーは、アプリから公共交通の乗車券やイベントチケットを購入することができ、地域の店舗で使えるクーポンを獲得することが可能だ。各種コンテンツを登録する機能をそれぞれの店舗や施設にも開放することで、アプリを通してまち全体のデジタル化を促進する。
また、「L-PASS」は、アプリの利用ログ(閲覧履歴やクーポン利用実績など)とGPSデータを収集することが可能だ。これらのデータは、公共交通の運行計画の見直しや商業施設のセールスプラン、将来のまちづくりに活用することができる。交通事業者や地方自治体向けにホワイトラベルで提供され、機能追加や外部サービスとの接続など、地域の要望に応じたカスタマイズも可能だ。
「三重交通グループアプリ」は、“地域社会の生活を支え、日々利用してもらえるアプリ” をコンセプトとし、各社個別に提供されていた検索・予約サービスを統合し、乗車券やクーポンのデジタル化も実現した。三重交通グループホールディングスは、「三重交通グループアプリ」の順次機能拡大や、地域事業者や地方自治体との連携も視野に入れたMaaSへの発展を検討しており、BIPROGY は引き続き三重交通グループのDXを支援していくという。BIPROGYは、「L-PASS」の提供地域を拡大し、各地域の共通ニーズを取り入れながらサービスの拡張を目指すと述べている。
(出典:BIPROGY Webサイトより)