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scheme vergeとアイシン精機が協業 データ活用で観光客の体験価値向上めざす

2020/9/28(月)

scheme verge(スキームヴァージ)は28日、アイシン精機と協業することを発表した。この協業により両社は、観光地や商業施設における顧客の体験価値向上や、移動中の顧客に対するOne 2 Oneマーケティングを実現する手法の確立を目指す。
※顧客ごとの趣向や属性などをもとにして、個別にマーケティングを行う方法。パーソナライズドマーケティングとも。
scheme vergeは日本のスタートアップ企業で、アート作品の鑑賞などに特化したMaaSアプリ「Horai」を手掛けている。同社が事務局を務める「瀬戸内洋上都市ビジョン協議会」の取り組みは、2019年、20年の2年連続で国土交通省の「日本版MaaS推進・支援事業」に選ばれている。

今回の協業の目的は、訪問先の概要や体験を深めるための事前情報を、訪問先までの移動中に提供するというもの。scheme vergeは、モビリティ関連データを分析した、顧客体験を向上させるソリューションを持っている。一方、アイシン精機はカーナビゲーション開発で蓄積した乗員の感情や行動傾向とリアルタイムに検出した情報を元に、刻々と変化する乗員ステータスを予測する「リズムプラットフォーム」というシステムがある。この2つを組み合わせて、移動中の訪問先紹介や地域の人と交流できる仕組みを構築する。

両社は、訪問先までの移動中に行う情報提供を、到着前から始まる「おもてなし」と位置づける。今回の仕組み構築によって、移動中や訪問先で「どのような人が、どんなタイミングで、どのような行動をとったか」という顧客のデータを取得する。このデータを解析することで、「おもてなし」の質の改善、地域の課題発見、地域活性化のための新たなサービスや取り組み創出、自治体や施設に向けて提案につなげたい考えだ。

今回の仕組みの効果検証を行うための実証実験は、2021年春頃より瀬戸内海・小豆島で行う予定。アイシン精機のリズムプラットフォームがタクシーや自家用車などの車内で、瀬戸内海・小豆島のアート作品の概要、作家の生い立ち、作品への思い、作品に対する有識者の評価などを配信する。scheme vergeは、自社アプリ「Horai」で顧客のデータを取得し、顧客体験価値向上効果やOne 2 Oneマーケティング効果について定量・定性的に検証する。

なお「Horai」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でアプリのダウンロードを一時停止しているが、2020年冬頃に再リリースする予定となっている。

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