清水建設 自動運転技術と歩行者ナビを連携した施設内移動サービスを構築 2021年に実用化を目指す
2019/11/7(木)
清水建設㈱は、施設・街区内における自動運転技術の展開に向けて研究開発を進めてきた建物と自動運転車両やロボット間の連携基盤(自動運転プラットフォーム)を活用し、自動運転車両の配車リクエスト機能と歩行者ナビゲーションシステム(歩行者ナビ)の経路案内機能を組み合わせた新たな施設内移動サービスを構築した。このサービスの実証実験を兼ね、10月19日・20日の2日間、東京ガス不動産㈱主催の地域イベント「新豊洲SPORT × ART FESTIVAL 2019」内で、歩行者ナビと連携した自動運転車両走行の体験会を実施した。
自動運転の実用化に向けた技術開発が加速する中、将来的に、施設や街区内の人やモノの移動・搬送にも自動運転技術が広く活用されることが予想される。清水建設は、こうした状況を見据え、施設内で移動・搬送サービスを提供する自動運転車両や自律型サービスロボットが連携しながら稼働するための基盤として、施設側の自動運転管制・監視機能をプラットフォーム化し、施設と車両・ロボットを共通のAPI(Application Programming Interface)を介して連携させる自動運転プラットフォームの研究開発を進めている。これまでは、自動運転技術等を開発するベンチャー企業の㈱ティアフォーと共同で、東京都江東区内にある技術研究所で、高精度3次元デジタルマップや建物群BIMデータの施設情報と、自動運転車両の位置・走行状態などの情報を一元管理する管制・監視システムを構築するとともに、ティアフォーが開発する自動運転関連ソフトウェアを連携させ、複数の自動運転車両の同時走行実験、車両の到着に合わせてシャッター設備の開閉を自動制御する施設連携実験などを重ねてきた。
今回構築した、自動運転車両と歩行者ナビが連携した施設内移動サービスは、清水建設が開発した自動運転プラットフォームのプロトタイプに、歩行者ナビと、ティアフォーの自動運転技術を組み合わせることで実現したもの。体験会では、住宅展示場「豊洲まちなみ公園」を対象エリアに、歩行者ナビアプリ画面での自動運転車両の配車予約から、乗車位置までのナビゲーション、目的地までの車両移動に至る一連の移動サービスを展開した。
清水建設は自動運転技術を活用した移動・搬送サービスの実証実験を通じて、車両・ロボットと施設の連携技術の高度化を図り、自動運転プラットフォームの2021年度内の実用化を目指している。