小田急、オンデマンド交通の実証運行 実用化に向け有償化やMaaSアプリ連携
2021/2/16(火)
川崎市と小田急電鉄は、小田急バス・川崎交通産業・神奈中タクシーと連携し、2月17日から5月16日まで、小田急線新百合ヶ丘駅周辺においてオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の実証運行を開始する。
「しんゆりシャトル」とは、対象エリア内にバス停よりも高い密度で約500カ所の乗降地点「ミーティングポイント」を配置し、その間の移動を提供するオンデマンド交通サービス。今回の実証運行では、昨年、小田急電鉄を中心に同エリアで取り組んだ実証運行から、有償化をはじめ、さらに実用に近づけたサービスとして提供する。小田急電鉄が提供するMaaSアプリ「EMot(エモット)」を用い、配車依頼から運賃の支払いまでを1つのアプリで行えるようにし、さらにEMotの複合経路検索機能において、鉄道・路線バス・タクシー・シェアサイクルなどの交通手段と一体的に情報提供を行う。
また、特に子どもの送迎による負担軽減効果や、自家用車からのシフトによる駅周辺道路の混雑緩和・連携施設の集客力向上効果について検証する。
保育園、習い事・塾などの教育施設や、駅前の大型商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」の利用者を対象にしたクーポンの配付を行い、サービスの利用促進と有効性(需要や負担軽減効果等)の検証に取り組む。
しんゆりシャトルの実証運行期間は2月17日から5月16日(予定)までで、運行時間帯は7時~22時。運賃は1乗車につき、おとな500円/こども250円で、定期券(1カ月)は、おとな21,000円/こども10,500円となっている。
なお、今回の実証運行は、国土交通省の日本版MaaS推進・支援事業に選定された「しんゆりMaaS実証実験」の一環として実施する。
しんゆりシャトル以外の施策として、EMotにおいて列車混雑予報の表示、さらに小田急線沿いの観光地を対象に、SNSからAIが抽出した観光地の定番スポットや見どころスポットを提案する「周遊プランニング機能」の提供なども行う。
川崎市と小田急電鉄は、今後もMaaS分野での連携を強化し、しんゆりシャトルの実用化など、次世代交通の整備による公共交通機能の強化と駅を中心とした快適なまちづくりに取り組んでいく考えだ。