スマートドライブと丸紅、EV利用を効率化するサービス開発へ連携
2020/8/25(火)
モビリティデータを活用したサービスを提供する株式会社スマートドライブ(以下、スマートドライブ)は、丸紅株式会社(以下、丸紅)と、EVフリートマネジメントサービス構築に向けた連携を開始する。丸紅が自社開発したEVの配車・充電タイミングを最適化するAIとスマートドライブの走行データを利活用するサービスを連携させ、EVの効率的な車両管理を実現するサービスの構築を目指す。
法人の事業所などが保有するEVの活用は、環境負荷の軽減や燃料費の削減の観点から広がりを見せつつある。その一方、EV利用後の充電時間や充電残量、予定外の利用への備え等を考慮した充電・配車(利用スケジュール)計画の策定に手間がかかるという課題がある。スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をビジョンに掲げ、移動にまつわるさまざまなモビリティサービスを提供してきた。走行データの収集・解析を行う「Mobility Data Platform」を活用し幅広い業種業態の企業と実証実験を行い、新しいサービスの創出を目指した協業を行っている。
今回の連携では、丸紅が開発したEVの配車と充電タイミングの双方を最適化するAI技術、さらには電力小売事業における知見と、スマートドライブのサービスをかけ合わせることで、EVの効率的な車両管理を実現するサービスの構築を行っていくものだ。
丸紅は、長野県伊那市において2020年1月から3月に実施した同AI技術の実証実験で、ガソリン車も含めた複数車両の配車(利用スケジュール)と EVの充電タイミングの双方の最適化を検証。ガソリン車の燃料費とEV充電分の電気料金の合計費用を一定の条件下で約70%削減できることが実証されたという。また、車両保有事業者の費用削減に貢献できるだけではなく、電力市場価格が低いタイミングでのEVの充電を同時に実現することで、電力小売事業者の収益改善にも貢献できることを確認したとしている。
(詳細は丸紅発信のプレスリリース : https://www.marubeni.com/jp/news/2020/release/20200820J.pdf)
今後は技術検証の成果も活用し、2020年度下期中にこのサービスをトライアルで導入する実証実験を行い、以降の事業化を目指す方針だ。▼サービス概要
内容 (1)EVを含む配車・充電タイミングの最適化サービス
・EVの積極活用によるガソリン車の燃料費とCO2排出量の削減
・EVの充電残量を一定水準で維持することでの車両利用時の利便性確保
・EV充電器を設置した事業所の電力需要のピークシフトによる電気料金増加回避
・(太陽光発電が事業所に導入されている場合)太陽光発電による余剰電力の有効活用
(2)EV新規導入を検討している事業所向けのコンサルティングサービス
・過去の利用実績に基づく最適なEV台数、EV充電器台数等の提案
・EV導入による費用負担とコスト削減効果の定量化
(3)その他付加サービスとして、太陽光発電システムの導入、電力小売プランの提案等
開始時期 ・2020年度下期中にサービスの実証実験を実施
・実証実験完了以降、順次サービスの事業化を検討
役割分担 スマートドライブ:モビリティデータを活用したサービスの提供
丸紅:サービスに関係するAIの開発および提供、電力事業に関連する各種システムおよびサービスの提供