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台湾へいってみよう! ~MaaSをいち早く 取り入れる隣国~

2018/3/7(水)

台湾は話題のMaaSをいち早く交通政策に取り入れている隣国だ。日本国内の出張と変わらない時間で高雄に行けてしまうので、忙しい人にもぜひオススメしたい。 今、台湾では北北宜と高雄市でパイロットプログラムが行われている。中でも南部の高雄市の取り組みがおもしろい。日本ではMaaS Allianceに加盟していないためMaasの認知がまだまだ低いが、高雄市は2016年9月から調査事業を始め計画を進めている。

(モビリティジャーナリスト 楠田悦子)

 

[LIGARE vol.37 (2018.1.31発行) より記事を再構成]

自動運転バス実証



「日本では海外事例は役に立たない」と言う人も多い。しかし台湾に限ってはそう言いきれない。なぜなら日本が過去に統治した歴史(1895-1945年)があり、文化や経済交流が盛んなため、「これは日本と一緒ではないか」と、思わずくすりと笑いたくなるほど、交通、都市、文化に類似点が多いのだ。

高雄市のMaaSを紹介する前にMaaSつまりMobility as a Serviceについて改めて紹介しよう。日本ではシェアリングエコノミーやワンストップサービスといった断片的な議論が多い。本質は個々人のQOLの向上や幸せの追求が前提にあり、その個々人の移動を最適化するために様々な移動手段の活用、仕組みを統合したものだ。様々な技術の進展により具体策が実現してMobility as a Service、略してMaaS(マース)としてフレームがまとまったのだ。ある企業の考え方でもサービス名でもない。高雄市ではMaaS を「公共交通行動服務(日本語に訳すと、公共交通運行サービス)」と訳している。日本でも昔から模索されてきたもので、Suicaなどの交通系ICカードの導入は欧州でも評価が高い。

LRT(次世代型路面電車)



MaaS は日本では自動車、交通、シェアエコノミー関係のごくごく一部の人にしかまだ知られていない。しかしITSメルボルンでフィンランド首都ヘルシンキがMaaSの考え方を取り入れたことで大きく注目されるようになった。海外のリサーチ会社ABI resarchはMaaSセクターの価値を2030年までに約1兆ドルあると算出している。トヨタ自動車はコネクテッドカンパニーBR・MaaS事業室を新たに作り、JR東日本は2017年9月5日にモビリティ変革コンソーシアムを業界横断的に立ち上げた。

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