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台湾へいってみよう! ~MaaSをいち早く 取り入れる隣国~

2018/3/7(水)



スローモビリティ専用レーン



日本では断片的な議論になりやすい。それには訳がある。民間主導でモジュール的に移動サービスが提供されているからだ。自治体や国のトップの強力なリーダーシップの下、交通政策が動く素地がないからだ。具体的な都市名が上がる海外とは社会の構造が異なる。
一方、台湾の高雄は自治体の交通政策がしっかりしている。日本で自治体がリーダーシップを取り、交通政策を計画的に進めたらどのような感じになるか。具体策事例をリアルに見ることができる。日本の方が移動サービスは進んでいるだろう。そんな先入観で考えがちだが、高雄市は見事に裏切ってくれた。

高雄市ではMaaSを成すそれぞれのパーツが、一つの哲学のもと、研ぎ澄まされていて、まとまって全体を成している。日本ではまだまだ進んでいないバスでのデータ活用、ユニバーサルデザインに基づく架線レスのLRTや地下鉄、大規模な端末交通としての自転車シェア、新タイプの自転車シェアやライドシェアとの共存、交通の中の自動運転バスの活用、スローモビリティ専用レーンなど、日本でも検討されているが実現出来ていないアレコレが、すでに実用化されているのだ。

新旧が共存する自転車シェア



新旧が共存する自転車シェア



高雄市内の交通はICカード「iPass(一卡通)」で決済ができる。地下鉄はBOT式で高捷公司が運営している。自転車シェアCity-bike は高雄市環境保護局が委託し、高捷公司が運営。LRTは高雄市捷運工程局が委託し高捷公司が運営。バスは高雄市政府交通局の管轄下で民間バス事業者7社が運行、タクシーも民間事業者16社が運行している。フェリーは輪船公司か運行。台湾の台北と高雄とを結ぶ高速鉄道(高鐵)は台灣高速鐵路公司、台湾国内を結ぶ鉄道(台鐵)は国の交通部台灣鐵路管理局が運営している。

iPass(一卡通)



MaaS の実現で大きく注目されているのが決済とお金の流れだろう。鉄道、バス、自転車シェアも含めて、単体では採算がなかなかとれない。移動の最適化とシームレスな移動とワンストップの決済により、そのお金の流れや捉え方も大きく変わると注目されている。

台湾の高雄市内の移動サービス、体制、計画、サービスに関わる関係者の意識から推測すると、日本よりも早く、高雄市で移動のワンストップサービスが実現するのではないか。

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