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安心・快適+FUN ヤマハのモビリティへの回答 ― 東京モーターショー2019

2019/11/6(水)

フロント2 輪の小型電動立ち乗りモビリティ「TRITOWN」

フロント2 輪の小型電動立ち乗りモビリティ「TRITOWN」

ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)のプレスカンファレンスでは、代表取締役社長の日髙祥博氏(以下、日髙氏)が、LMW機構を備えたフロント2輪の小型電動立ち乗りモビリティ「TRITOWN」に乗って登場し、安心・快適に加えて、走る楽しさ「FUN」要素を加えたヤマハならではのモビリティを紹介した。
※LMW=Leaning Multi Wheel。モーターサイクルのようにリーン(傾斜)して旋回する3輪以上の車両の総称

日髙氏は昨年策定した長期ビジョン「ART for Human Possibilities」に基づいて2030年に向けた取り組みを語り、ロボティクスの活用し(Advancing Robotics)、社会課題へヤマハらしく取り組み(Rethinking Solution)、モビリティに変革をもたらす(Transforming Mobility)ことで、「人々の可能性を広げ、よりよい生活と社会を実現していく」とした。

EV二輪が街角の主役になる時代に向けて

ヤマハは1993年に世界初の電動アシスト自転車「PAS」を発売してから、さまざまな電動コミューターを市場に投入してきた。日髙氏は「みなさまが求める性能要件や利便性とはまだずいぶん開きがある」として、「世界中の街角でEV二輪がコミューターの主役となるにはもう少し時間が掛かる」との見解を示している。今回主要モデルとして展示した都市型コミューターは、その少し先の将来を見越して開発したものだ。

都市内の移動に最適な次世代電動コミューターとして紹介された「E02」

次世代電動コミューター「E02」



一つは125cc相当の「E01」。スクーター技術とEV技術を融合し、普段使いの実用性とスクーターを上回る走行の上質さを表現したモデル。また、急速充電に対応している。もう一つは、50cc相当の「E02」だ。小型・軽量で扱いやすいライトなボディを採用し、着脱式のバッテリーを搭載、さらなる利便性の向上を図っている。「(EV二輪の)普及のためにはバッテリー充電の課題を克服しなければならない」という日髙氏の言葉を体現するEV二輪だ。
※エンジン出力時の相当数

冒頭に紹介した「TRITOWN」は前回の東京モーターショー2017でも走行デモが行われたが、今年に入り各地で実証実験が始まった。日髙氏が語る「ラストワンマイルの移動に楽しさをプラス」する次世代パーソナルモビリティとして、特にレジャー施設や公園などが実証地に選ばれている。安心と快適さを両立させつつ、さらに「FUN」を加えるヤマハらしいモビリティへのアプローチがこの取り組みからも伺うことができる。

陸のドローン AI・ロボティクスの知見を活かして

そのほか、展示した主要モビリティで目を引いたのが、自律ソリューションビークル「Land Link Concept」だ。惑星探査機を連想するような外観で、「周囲をセンシングしながら地上を自由に走行する、いわば陸上のドローン(日髙氏)」だと語る。

また、このLand Link Conceptは、自動運転車両としては珍しくLiDARを搭載していない。カメラで撮影した映像を使って、AIが状況を認知・判断する。LiDARを採用しなかった理由は、主に農業分野など屋外での使用を想定しているため、粉塵への弱さと耐久性を考慮してのことだ。しかし、カメラの映像は情報量が多い反面、それを活用する認知・判断の部分が難しくなる。そのため、「AI画像認識などに重点的にリソースを投入している(同説明員)」という。今後もAI・ロボティクス技術などで得た知見を活かし、ヤマハ独自のアプローチを進めていきたい考えだ。

ヤマハはすでに農業分野などに向け、「空のソリューション」と日髙氏が表現する、産業用無人ヘリやドローンの展開に取り組んでいる。今回発表したLand Link Conceptは陸上での自律ビークルの可能性を広げることが期待される。日髙氏は、「ヤマハらしいソリューション、モビリティの変革にぜひ期待してほしい」と自信を見せた。

自律ソリューショ ンビークル「Land Link Concept」

自律ソリューションビークル「Land Link Concept」

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