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モビリティ「FlatFormer」で豊かな未来を ― 日野自動車, 東京モーターショー2019

2019/11/6(水)

モビリティコンセプト「FlatFormer」

モビリティコンセプト「FlatFormer」

日野自動車は、CASEにP=Platformを加えた「SPACE」を変革のキーワードとして提唱した。また、その象徴となるモビリティコンセプト「FlatFormer(フラットフォーマー)」を世界で初めて公開した。

キーワードは「SPACE」

日野自動車 代表取締役社長 下 義生 氏

日野自動車
代表取締役社長
下 義生 氏



日野自動車の代表取締役社長・下義生氏(以下、下氏)は、プレスブリーフィングに登壇し、「クルマの定義を大きく変えるのがCASE。CASEによって飛躍的に拡大したクルマの価値を、社会に広く提供していくための基盤として『Platform(プラットフォーム)』が必要」だと語った。物流や輸送を担い、経済や生活を支える商用車も、働くクルマとしてさまざまなサービスを提供するプラットフォームになっていくという。

下社長は、社会をつなぐサービスのプラットフォームと多様なニーズに応えることができるサービスのプラットフォーム、両方が必要だとし、「CASEにプラットフォームのPを加えた『SPACE』が日野の変革のキーワード」だと語った。

未来のモビリティ「FlatFormer」を世界初公開

その象徴的な存在として、東京モーターショーで世界初公開したのがモビリティコンセプト「FlatFormer(フラットフォーマー)」だ。未来のモビリティのコンセプトづくりを担当したデザイナーの関口裕治氏(以下、関口氏)と、技術面を担当した小林こずえ博士(以下、小林氏)によると、フラットフォーマーの特徴は大きく二つあるという。

一つ目は、薄くフラットなデザインであること。これはサービスのために使える空間を最大限確保し、さらにボディ形状の自由度を高めることで多様なサービスに対応できるようにするという狙いがある。二つ目は、ボディが簡単に脱着できること。動力プラットフォームとサービス空間を分離できる設計で、複数のボディを載せ替えて提供するサービスを状況に応じて変えることができる。小林氏によると、フラットで軽量なフレーム、かつ床の低さを追求し、モーターやブレーキなど動力機構を一体化してコンパクトさを実現しており、ハードとしての自由度を最大化するためのこだわりを随所に見せている。

「これまでサービスは建物などの空間に固定され、利用するためにはそこに出向かねばならなかった。フラットフォーマーでサービスが動力を手に入れ、場の制約から解放される」と関口氏は語る。例えば、従来はビルのテナントとして固定された場所で営業していたカフェが、リアルタイムの人口変動、天候、イベントなどから需要予測を行い、よりニーズの高い場所へ移動するということが可能になる。さらに、ボディの載せ替えが容易であるため、時間帯に応じて提供するサービス自体を変えることもできる。つまり、朝は通勤客向けに乗客輸送サービス、昼はランチタイム向けにケータリングサービス、夜は街を見守るセキュリティサービス、といった柔軟な運用が可能だ。

フラットフォーマーの無人配送サービスへの活用例

フラットフォーマーの無人配送サービスへの活用例


豊かな未来を目指し変革に取り組む

将来このコンセプトを実現するには、自動運転やコネクテッドへの対応やモビリティサービスの充実など、取り組むべき課題は多い。今回日野自動車は、自動運転技術を用いた「路肩退避型ドライバー異常時対応システム」を展示。そのほかにも2017年以降の新型トラック・バスには稼働状況のモニタリングや省エネ運転をサポートするコネクテッドサービス「HINO CONNECT」を開始している。また、トヨタとソフトバンクが共同出資したMONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)と、MaaS事業の価値向上などを目指した資本業務提携を結ぶなど、広範に活動している。下氏は、「『SPACE』で変革を推し進め、新しい価値を作り出して、社会に、一人ひとりにハピネスを届けるために、変革に真正面から本気で取り組む」と締めくくった。

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