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東急、沿線での働き方を実現する「DENTO」サービス実験の結果発表

2021/5/18(火)

東急株式会社(以下、東急)は5月11日、2021年1月13日~4月28日の3カ月半実施した、より自由で豊かな東急線沿線での働き方を実現する、新たなサービス実験「DENTO」の結果を発表した。
今回の実証実験の目的は、ユーザーの状況に応じた最適な移動手段と就労場所を選択できることによるコロナ禍で変容した移動や働き方のニーズ探索、および東急線の通勤定期券をお持ちのユーザーへの限定サービス提供による定期券保有の新たな付加価値創造だ。主なターゲットとして、田園都市線在住の都心通勤者を想定している。


DENTOの具体的なサービスは、「快適な都心通勤を実現する移動サービス」、「自宅周辺で快適に楽しくテレワークできる就労環境の提供」、「移動目的および体験価値の提供」の3つだ。1万8287名がLINEのお友だちに、1万203名が会員に登録し、チケット総購入数は2万2706枚だった。また、各チケットの購入ごとに、任意のアンケートに回答してもらっている。

「快適な都心通勤を実現する移動サービス」では、田園都市線郊外と都心を結ぶ高速バス「サテライトビズライナー」や、都心から横浜市青葉区内の自宅を結ぶ「相乗りハイヤー」を運行した。「サテライトビズライナー」では、夕方の復路ニーズも確認できた一方で、平均客席稼働率が1割弱にとどまった。
 
「相乗りハイヤー」は、ユーザーの評価は高かったものの、利用総数は低迷した。またアンケートでは、発着エリアやサービスの利用時間帯の拡大を希望する声が多く、認知度にも課題があったことを判明している。これらを参考に、今後のサービス設計を検討していくという。

「自宅周辺で快適に楽しくテレワークできる就労環境の提供」では、田園都市線たまプラーザ駅以西を中心に全8店舗にて展開した。田園都市線沿線在住の30~50代男性が利用し、リピートユーザー率は約50%と、郊外でのテレワークニーズを確認している。カフェや商業施設内に新設したテレワーク拠点の利用では、家族とともに施設を訪れる利用者も多く、これまでにない新たな働き方や施設の利用方のニーズも確認した。

「移動目的および体験価値の提供」では、合計2万枚以上購入した定期券保有者限定で100円乗り放題チケット(東急線ワンデーパス、東急バス1日乗車券)を提供した。購入者の48%がチケットの購入により予定外の外出を行い、また45%は交通費割引による移動や消費促進効果をアンケートにて確認している。

また、アクティブクーポンの利用も2000枚を超え、利用アンケートから、57%の利用者が定期券保有満足度が向上したと回答したほか、100円乗り放題チケットがその向上に最も寄与したことが判明した。

なお東急は、全体を通して、会員登録数1万203名、リピート率50%の目標は達成し、さまざまなニーズの発掘に繋がったという見解を示した。しかし、会員登録者の6割がサービスを利用せず、また総販売数の9割以上は100円チケットであったことから、今回提供したサービスへの支持には濃淡が見られる結果とも述べている。

今後も、実証実験の結果を踏まえて、ポストコロナを見据えた、郊外地区の「職」「住」「遊」をシームレスにつなぎ、移動をはじめとしたサービス開発を行い、ユーザーに利便性・快適性をお届けすることで、激変する環境の中でも「選ばれ続ける東急線沿線」の実現を目指すという。

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