トヨタ「COMS」のシェアリングによる次世代の交通システム「Ha:mo(ハーモ)」 (後編)PR
2017/12/19(火)
前編ではHar:moがパーソナルな乗り物と公共交通を最適につなぐことで、シームレスで快適に交通課題の解決を目指していることと、豊田市での実例をご紹介した。
続編となる今回は岡山市の事例とトヨタ自動車ITS企画部の早田氏へのインタビューをお届けする。
続編となる今回は岡山市の事例とトヨタ自動車ITS企画部の早田氏へのインタビューをお届けする。
[LIGARE vol.36 (2017.11.30発行) より記事を再構成]
生活交通への利用 岡山市 オカモビ
2017年には岡山市内5カ所のステーションで合計10台の「COMS」を使用し、ワンウェイ型で乗り捨てを可能にした。さらに有償化により、実サービスに近い実証を開始し、導入の可能性を探っている。また、新たに北長瀬と問屋町といった岡山市中心部から少し離れた場所にステーションを設置した。この地域は区画整理に伴う市街地整備により、事業所やマンションが多い一方、バス路線が少ないため、クルマを利用して中心部まで移動する割合が高い。公共交通と「COMS」を上手に組み合わせて、自動車利用を減らすことを目的としている。
生活の中に溶け込むモビリティを目指す
岡山市は、2016年より超小型モビリティ「COMS」を利用したカーシェアリングの実証実験、通称「オカモビ」を開始している。岡山市の市街地はスプロール化による低密度なまちが広がり、移動や買い物など市民の約6割がクルマで移動しているという。このような状況から、公共交通の利用率は減少し、バス路線の廃止など公共交通の衰退が問題となっている。高齢化が進むことでクルマの運転が困難になれば、公共交通を中心に移動のネットワークを再形成していく必要がある。
オカモビを生活交通に利用
新たな移動手段として、超小型モビリティを活用し、公共交通と連携した移動の利便性の向上、まちの活性化への寄与などの可能性を探っている。2016年は認知向上のために無償で貸し出し、6台の「COMS」を使用し実証を行った。その結果、徐々にリピーターも増え、新たな移動手段としての可能性があることがみえてきた。
特に年配の方のリピート率が高く、担当の今井氏は「コンパクトな車両という特徴から、クルマの運転が苦手になってきた方にちょっと外出するときや、荷物が多いとき等、手軽な足としてのニーズはあるのではないか」と述べる。
自動車・公共交通と連携するモビリティ
中心市街地は平坦な地形が広がり、自転車のシェアリングである「ももちゃり」が展開している。岡山市は政令指定都市の中でも通勤・通学時の移動手段としての自転車利用率が3位で、コミュニティサイクルの中では回転率が日本一という。しかし、自転車で広範囲を移動することは難しい。そこで、街中の短距離移動は「ももちゃり」、バスなどが通っていない場所への移動は「オカモビ」、という役割分担ができるという。「超小型モビリティは、自転車よりも安全で遠くまで乗りやすく、荷物も多く運べて雨の日も利用できる。自転車とクルマの中間という特性をうまく生かしたい」と今井氏は述べる。
岡山市の中でも、クルマと自転車それぞれが利用しやすいところはそのままにしつつ、生活拠点の中で公共交通を軸として結び、自動車利用の割合をできるだけ減らしていくことを目指すという。
その中で、「Ha:mo」は共同利用できる利便性の高いシステムとなっており、運転が不得意な人にも使いやすく、道が狭い昔からの集落などでは移動しやすく、行動範囲を広げることもできる。
「今回の取り組みは交通だけの切り口ではなく、地域で共同利用することでクルマの保有台数自体が減る可能性もある。このシステムが広がれば、土地の有効活用も図れる。そういった可能性も今後探っていきたい」(今井氏)
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