トヨタ「COMS」のシェアリングによる次世代の交通システム「Ha:mo(ハーモ)」 (後編)PR
2017/12/19(火)
トヨタ自動車 ITS企画部早田 敏也氏 INTERVIEW
次世代の交通システムの一つとして確立しつつある「Ha:mo」の取り組みについて、トヨタ自動車 ITS企画部 早田 敏也氏に、導入から今後の展開までを伺った。「Ha:mo」で解決できる課題を探る
――「Ha:mo」を始められたきっかけを教えてください。従来、自動車メーカーは、移動を便利で快適で安全にするためにクルマを製造して販売することを生業としてきました。クルマは渋滞、エネルギー消費の問題などネガティブな側面があり、これらの課題を解決するために始まったのが「Ha:mo」の取り組みです。
――「Ha:mo」を各都市で導入され、実感されたことを教えてください。
東京などは公共交通は発達していますが、乗換えが多く、駅から歩くことも多いです。公共交通と上手くつながって、シームレスに移動できるようなシステムが必要です。地方はクルマへの依存度が高く、中心市街地が空洞化しています。移動手段の整備が大切で、市内を回遊する手段として「Ha:mo」を使うことができれば、中心市街地の活性化につながると考えています。
ビジネスモデルとして確立するには
――運営が軌道に乗り出した豊田市がよいビジネスモデルになりそうですね。当初は、自らシステム作りと運営をしていました。実際に運営をして気づいたことは、設計図通りにいかないことが多いということです。また、運営は私たちの役割ではないことも分かったので、シェアリング事業の運営実績のあるユーピーアール(株)様にお願いしています。私たちはシステムプラットフォームとしてのシステム提供者の役割です。
ワンウェイ型のカーシェアリングは人の動線に合わせて利用できる効率的なところが魅力です。一方で、利用分だけ料金を頂くというビジネスモデルでは、採算を取ることが困難です。運営を軌道に乗せるために、豊田市では法人契約をはじめとする運用とシステム面でのさまざまな取り組みを試行錯誤し、標準化、機械化、効率化を実現させてきました。
――採算性を向上させるための苦労があったのですね。
システム提供だけではスタンダードなオペレーションはできません。どのようなステップで何をしないといけないかなど、苦労と工夫を蓄積したノウハウをマニュアル化してきました。都市型タイプ編、観光モデル編の2種のマニュアルがありますが、もっと肉付けしていきたいと考えています。導入先で実現したいことをお聞きして、地域での使われ方に沿った形でカスタマイズし、標準プロセス化する必要があります。運営を効率的にできないと、導入する側にも安心してもらえません。
ユーザー目線を忘れずに
――他のサービスとの連携についてはどうお考えですか?それぞれの移動シーンに適したモビリティサービスを検討し、サービスの選択肢を増やしていきたいと思っています。アプリも一つに統合してサービスの利用をワンストップで決済できれば便利だと考えています。そのためには、既存の交通サービス、交通事業者とも手を結ぶ必要があると考えています。
――今後についてお聞かせください。
手段やツールをつくって提供することのみが目的となりがちですが、ユーザーに利便性や安全性を実感してもらうということを見失ってはいけません。ユーザーや地域にメリットがあるということを明確にすることが大切だと考えています。今後は、行政や交通事業者、観光協会等と手を携えながら、都市の活性化や観光に貢献できるよう、導入先を広げていきたいと思います。そのために、システムをさらに簡単に、便利に、安全にしてまいります。
都市部、地方都市、観光地で、トヨタが自ら培った導入知見を積み上げ、次世代交通システムづくりの枠組みが完成しつつある「Ha:mo」。移動を楽しみながら、環境にも貢献する交通システム「Ha:mo」の可能性がますます広がりつつある。
(前編記事を読む)
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