東京モーターショー2017でのWHILLブースの様子
パナソニックとの共同開発が生み出す次世代のロボティクスモビリティ
展示会場ではWHILLがパナソニックと共同開発する「WHILL NEXT」の試乗体験が行われた。今年度、WHILLとパナソニックは「WHILL NEXT」について自動停止機能、自律移動機能、隊列走行機能の三つの技術検証を行っている。話を伺ったパナソニック株式会社 生産技術本部 ロボティクス推進室の北澤 一磨氏によると、「WHILL NEXT」はパナソニックが開発した病院内を自動で薬剤を運ぶ「ホズピー」の技術をベースに、パナソニックで培われたロボットの自律移動技術を応用しているという。自律移動前にあらかじめ走らせた際にレーザーデータから自動で作成した地図情報と、実際の自律移動時に取得したレーザーデータをマッチングさせることで自律移動を行う。既存のWHILLシリーズへの自律移動システムの搭載も検討中とのことで、機体が変わってもセンサーの構成をそのまま移植すれば可能だという。また、羽田空港で行われている実証実験ではチェックインカウンターから搭乗口までの自律移動が行われている。足腰の不自由な方に向けたサービスの提供が予定されているほか、パナソニックは2020年までに普及を目指したい考えだ。
自律移動への今後の課題
屋外における自律移動については問題が多く、歩道が坂道だった場合や斜めに傾いていた場合、センサーで取得した情報と機械がもともと持っている地図データにズレが生じてしまう。角度を検出するジャイロセンサーなどを搭載し、角度を検出して補正する案が検討されている。さらにもともと出回っていない歩道空間の地図をセンサーで集めるのに手間がかかり、羽田空港における実証実験では自律移動の前日に3時間かけて地図の作成を行わなければならなかった。その測定データを取得する際にもレーダーが観測した人のデータを、測定後に処理を加えて削除しなければならないなど課題が残る。2020年までの普及に向けて屋外での自律移動が可能となるような技術発展に期待したい。
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