沖縄県八重山諸島でのMaaS実証実験が国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定
2019/7/10(水)
八重山MaaS事業連携体※ は、沖縄県の八重山諸島で11月より実施予定の地域観光型MaaS の実証実験「八重山諸島における離島船舶、バス、タクシーによるMaaS実証実験(以下、八重山MaaS)」が、事業の熟度が高く、全国の牽引役となる先駆的な取り組みを行う「先行モデル事業」として、国土交通省の「新モビリティサービス推進事業」に選定されたことを発表した。
八重山諸島は、旅行者が2017年以降で130万人を超える中で、レンタカー利用割合が50%を超えるなど突出した数値となっており、交通手段における公共交通手段の割合(公共交通分担率)が低いという課題があった。また、チケット購入のキャッシュレス対応が十分ではないという点も、利便性の面で課題となっていた。そこで、「八重山MaaS」ではスマートフォンを活用し、離島船舶、バス、タクシーのキャッシュレスによるチケット事前購入、シームレス利用、および滞在中の離島船舶、バスが一定期間乗り放題となるサービスを実現することで、ユーザー利便性向上と公共交通分担率向上などの効果検証を行う。
本実証実験では、沖縄セルラーアグリ&マルシェが加盟事業者利用環境整備を、JTB沖縄が交通・商業連携の旅行商品の提供とMaaS加盟事業者開拓を、琉球銀行がキャッシュレス決済の実現とMaaS加盟事業者開拓を、八重山ビジターズビューローが観光施設連携強化を、TISがMaaSプラットフォームの提供と全体取りまとめを担当する。また、石垣市、竹富町、沖縄総合事務局運輸部も参画し、国、沖縄県、八重山地域の観光・商業施策との連携に関する助言などを行う予定だ。
期間は2019年11月~2020年2月で、対象となる交通手段は離島船舶、バス、タクシーである。これらそれぞれ3つの乗車券を電子チケット化して、スマートフォンでの電子チケット表示により加盟事業者の利用環境での処理を行い、対象の交通機関を一定期間乗り放題とすることで、公共交通機関のシームレスな利用を実現する。更に、MaaSに不可欠な乗降/利用などの各種データの収集・分析・活用による、消費者、交通事業者、商業・観光事業者それぞれにメリットのある施策を実施する。
また八重山MaaS事業連携体では、実証実験を通じて観光地型MaaSを実現し、将来的には地域住民の交通利用の利便性向上を実現するMaaSに展開し、それらを八重山諸島に限らず、沖縄県全体に拡大することを目指す。
※: 八重山地域でのMaaS実現を目指し、沖縄セルラーアグリ&マルシェ株式会社、株式会社JTB沖縄、TIS株式会社、株式会社琉球銀行、一般社団法人八重山ビジターズビューローが、石垣市、竹富町の支援の下で組成した連携体。