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運転初心者やペーパードライバーが注意すべきポイント|事故防止のコツは?

2023/11/24(金)

社用車を運用する企業は、事故防止のため従業員向けの安全運転教育を行っているところも多いでしょう。しかし、運転技術は従業員ごとにばらつきがあります。特に昨今は、運転経験が浅いまま入社するケースも少なくないそうです。そこで今回は、運転初心者やペーパードライバーが気を付けるべきポイントを、専門家に解説してもらいました。

解説にあたっては、「安全運転クリニック」をはじめとした運転者教育で多くの実績を持つ株式会社寝屋川自動車教習所(ネヤガワドライビングスクール)で、約30年にわたり教官を務めている稲岡正昭氏に話を聞きました。

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運転初心者やペーパードライバーが上達するためには?

運転に不慣れな人は「まずは練習をしたい」と考える人も多いのではないでしょうか?一つの方法として、自動車教習所のペーパードライバー講習を受講する方法があります。

●自動車教習所のペーパードライバー講習では何ができる?

各地の自動車教習所では、運転経験の浅い人や長いブランク期間がある人に向けて、ペーパードライバー講習を行っています。教習所によってプログラムに違いはありますが、所内のコースで基本的な走行練習を30分~1時間程度行った後、一般道路で走行する段階を踏むケースが一般的です。

これらの内容に加えて、高速道路の走行や車庫入れ、縦列駐車など、多くの運転初心者やペーパードライバーが苦手とする個別の内容を重点的に行うケースもあります。

【専門家の解説】

稲岡氏:運転初心者やペーパードライバーには、車庫入れが苦手だと感じている人が多い印象です。練習できる駐車スペースの確保が難しいのも影響しているかもしれません。私たちのお客様であれば「教習所内の来客者用駐車場で自由に練習してください」と言えるのですが。

教習時間外の練習を希望するお客様には、「自宅の車庫で練習しましょう」とおすすめすることが多いです。自宅の車庫に止められるようになれば、とにかく「出発して、無事に帰ってくる」ことはできるわけですから、まずはそこに止められる技能を身に付けるのが、結果的に近道だと考えています。
寝屋川自動車教習所 業務部 事業課 稲岡正昭氏

寝屋川自動車教習所 業務部 事業課 稲岡正昭氏


運転初心者やペーパードライバーが運転時に注意すべきこと

運転に不慣れな場合は、免許を取得した際に学んだことを改めて振り返ることが大切です。ここからは、正しい運転姿勢など運転前や運転中に気を付けるべきポイントについて解説していきます。

●運転前の注意点 その1:乗車姿勢の調整

まずは、正しい乗車姿勢を確認しましょう。

1つ目のポイントは、ひじの角度。直角よりも少し伸ばし、軽く曲がっている状態が正しい姿勢です。ひじを伸ばし切ったり、反対に極端に曲げすぎたりすると、ハンドル操作が難しくなりますから注意しましょう。

2つ目のポイントは、足の位置。アクセル・ブレーキペダルから近すぎたり遠すぎたりすると、操作が難しくなります。しっかり踏み込める位置になるよう、シートの前後を調整するのがポイントです。

3つ目のポイントは、背中と腰の位置。シートとのすき間が空いていると、ペダルをしっかり踏み込めず、もしもの急ブレーキの場面で体が起き上がってしまうおそれがあります。背中と腰全体をシートに預けられるポジションへと調整しましょう。

最後に、忘れがちなのがヘッドレストの高さと位置。後頭部をしっかりヘッドレストに預けられる高さに調節する必要があります。自分の耳の位置がヘッドレストの真ん中にくるくらいの高さを目安にしましょう。この高さが合っていないと、万が一事故が起きたときに首への負荷が増し、大きなケガにつながるリスクが高まります。

正しい運転姿勢の例(撮影協力:寝屋川自動車教習所)

正しい運転姿勢の例(撮影協力:寝屋川自動車教習所)


誤った運転姿勢の例(撮影協力:寝屋川自動車教習所)

【専門家の解説】

稲岡氏:正しい運転姿勢になるようにシートの位置や角度を調整することで、運転操作がやりやすくなります。また、運転中の目線を高い位置に保てるので、広い視界を確保できます。運転に苦手意識があったり、緊張していたりすると、どうしても近くを見たくなり、姿勢がだんだん前のめりになっていきます。信号待ちなどのタイミングで、自分が間違った姿勢をとっていないか確認することも大切です。

●運転前の注意点 その2:車の機能を把握しておく

いざ運転を始める前に、車の基本的な機能を把握しておくことも重要です。走行中に窓やワイパー、エアコンなどを操作しようと思って慌ててしまうと、思わぬ危険につながる可能性があります。これらの機能は停車中でも確認できますから、事前におさらいしておきましょう。

【専門家の解説】

稲岡氏:できれば事前に、ガソリンの給油口が左右どちらに付いているかも確認しておきましょう。ガソリンスタンドで「しまった逆だった」と気づき方向を慌てて変えようとすると、事故につながりかねません。給油口の位置は、車を降りて見に行かなくてもメーターを見れば分かりますから、あらかじめチェックしておきましょう。
ガソリンの残量を示すメーターに左向きの矢印が付いていれば、給油口は左側にある。

ガソリンの残量を示すメーターに左向きの矢印が付いていれば、給油口は左側にある。


●運転前の注意点 その3:初心者マークの表示

初心者マーク(初心運転者標識)を付けるのも一つの方法です。運転免許を取得して1年未満であれば、初心者マークの表示は道路交通法で定められた義務ですが、取得から1年以上経過していても、運転に不安がある場合は表示して問題ありません。

なお、初心者マークの場所は、「地上〇・四メートル以上一・二メートル以下の位置に前方又は後方から見やすいように表示する」ことが道路交通法施行規則に定められています

●運転中の注意点 その1:視線を高く保つ

先ほど述べたように、運転初心者や経験が浅い人は運転姿勢がつい前のめりになりやすく、近くを注視してしまいがちです。基本的に、走行中は前方車両に目を向けると視線は高い位置になります。もし前方車両がいなければ、次の信号を見るなど具体的な目標を定めると視線を高く保ちやすいです。

ただ、運転中は対向車や歩行者、自転車など、いろいろな場所に注意を向ける必要がありますから、前方だけ注視しないように心がけましょう。

●運転中の注意点 その2:交差点ではしっかり減速!

運転初心者やペーパードライバーの中には、「前の車にちゃんと付いていって、後続車に迷惑をかけないように」と意識している人もいるのではないでしょうか?

その意識が強すぎるあまり、交差点で右折や左折をするときに過剰な速度で走行してしまうケースが多くあります。実際は、「今の速度の半分くらい」の意識でも問題ありません。速度が出すぎていると、歩行者や自転車の存在に気づきにくくなりますから要注意です。

●運転中の注意点 その3:ウインカーは早めに

高速道路の合流や車線変更などで、「ウインカーを出すタイミングが分からない」との悩みも多く寄せられます。あまり適切なタイミングは意識せず、早めにウインカーを出して合図するのが正解です。まずは自分が車線変更をしたいと意思表示をして、周りに認識してもらいましょう。

運転初心者が事故を防ぐコツ

●サポートグッズの活用

例えば、駐車や車庫入れが苦手な人は、バックモニターを活用すればスムーズに止めやすくなります。その他、自宅の駐車場所にコーナーガードを設置する方法もあります。車庫入れの目印になりますし、万が一接触した場合の緩衝材としても機能します。

柱の角にコーナーガードを設置すると、目印と緩衝材として機能する。

柱の角にコーナーガードを設置すると、目印と緩衝材として機能する。


【専門家の解説】

稲岡氏:サポートグッズは、あくまで補助として用いるものである点には注意が必要です。例えば、バックモニターの映像にも死角はありますから、しっかり目視確認することも忘れないようにしましょう。

●サイドミラーを使いこなす

サイドミラー(ドアミラー)を上手に活用できるようになると、より安全に運転できるようになります。しかし、運転に不慣れだと、視線を横にずらすことは難しいもの。まずは、信号待ちの間にサイドミラーを見て、車体が車線のどの位置に止まっているのか、後ろの車両はどのように映っているのかなどを確認して、自分の感覚と実際の状況とのギャップを埋めていきましょう。

【専門家の解説】

稲岡氏:サイドミラーを使いこなせれば、バック駐車もやりやすくなります。教習所では、ポールを目印にして「何本目のポールでハンドルを切る」という教え方をするケースがありますが、実際の道路環境で目印が立っているとは限りません。サイドミラーを使って隣の車両や縁石の位置を確認する習慣を付けるのが上達への近道だと言えます。

ちなみに、運転席からスイッチを操作してサイドミラーの角度を下向きに調節することもできますから、そうした機能も活用しましょう。

●基本を徹底し、余裕を持つ

交通事故を防ぐためにできることはさまざまありますが、中でも一番大切なことは基本的なことをおろそかにしないこと。安全な速度や車間距離を保つのはもちろんですが、時間に余裕を持ったり、走行しやすいルートを選んだりすることも大切です。

【専門家の解説】

稲岡氏:自分にとって安全な速度は、必ずしも法定速度と同じとは限りません。自分が安全に走れるなら、法定速度よりもゆっくり走っても大丈夫です。安全な速度を維持できれば、周囲の状況にも気を配れるようになるでしょう。

また、時間に余裕を持っておかないと、近道をしようとして狭い道を走ったり、無理に追い越そうとしたり、無理な運転をしてしまいがちです。

私たちは、交通事故を経験したドライバー(事故惹起者)向けにも講習を行っています。実際の事故状況を伺っていると、「これは特殊な事例なので防ぎきれない」と言える事例は、正直なところ少ないんです。

事故に遭うかどうかは、運の要素も否定できません。しかし、基本的なポイントを徹底し、時間に余裕を持って安全なルートを走行することで、事故が起きにくい環境を作ることはできると考えています。

安全運転指導をより効果的に行うには?

ここまで、運転初心者やペーパードライバーが運転時に注意すべきポイントなどについて解説しました。具体的な対策として自動車教習所のペーパードライバー教習があることは冒頭に触れた通りですが、教習をより効果的に行う方法はあるのでしょうか?引き続き、稲岡氏に伺いました。

寝屋川自動車教習所 業務部 事業課 稲岡正昭氏

●症状は人それぞれ。苦手なポイントを重点的に

――寝屋川自動車教習所は、「安全運転クリニック」という名称のペーパードライバー講習を行っていますよね。どのような特徴があるのでしょうか?

稲岡氏:「駐車を重点的に練習したい」や「高速道路を走行したい」など、お客様によって練習方法についてのさまざまな要望が寄せられますが、必ずしも初回からお客様の要望通りに教えるというわけではありません。

お客様自身ができないと思い込んでいても実際は問題なかったり、逆にできると思っていることができていなかったり、そういうことは多々あるんです。ですから、まずは所内を走ってもらって、お客様の運転を診断することから始めます。全体的な運転の内容を確認させてもらい、できていないことや忘れてしまっていることを時間内に矯正してもらいます。

一般的なペーパードライバー教習には、時間枠の中であらかじめ決められたプログラムを消化するものが多くあります。ただ、それだと無駄な時間が生じてしまうケースも多く、プロから見た問題点を重点的に練習して克服しよう、という方針で取り組んでいます。「クリニック」の名の通り、一つ一つの症状に対応していくイメージですね。

●ドライブレコーダーの映像で、説得力ある指導に

――実車を使った教習以外に、座学などもあるのでしょうか?
稲岡氏:実車の走行を終えたら、教習所に戻って運転内容の講評を行っています。また、運転内容を踏まえた診断書を渡し、今後の指針として役立ててもらっています。

運転内容を講評する際は、教習車に搭載したドライブレコーダーの映像を使っています。例えば、運転中に危ないシーンがあっても、お客様は運転するのに必死で覚えていないケースも多いんです。実際の映像を見てもらうことで、いかに危なかったかを理解しやすくなりますし、アドバイスの説得力も増すと考えています。
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▼デンソーテンの通信型ドライブレコーダー「Offseg(オフセグ)」の強み

POINT1: トラブルをふせぐ
メインユニットと通信ユニットを分離して名刺サイズに小型化された本体は、運転席からの視界もしっかり確保。さらに、標準設定のカメラは、フルHDで200万画素、2カメラ一体型で約360°の撮影が可能で、高画質に広範囲を録画できます。さらに後方をしっかりカバーしたい場合は、オプション設定でリアカメラの取り付けも可能です。

POINT2: 事故をふせぐ
人的事故要因の約7割を占める、安全不確認や前方不注意など主要な12シーンをAIが自動で検出し、管理者や運転者に警告、通知することができます。さらに、信号無視や車間距離不足といった6シーンは、リアルタイムに警告することも可能です。

POINT3: ムダをふせぐ
Offsegは、安全運転管理、車両管理の効率的な運用にも貢献できます。個々のドライバーの運転行動を評価する「安全運転診断」や、「運転日報・月報の自動作成」など、日々の業務をサポートする機能を多数取りそろえています。

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