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AIと人間が協調する”リアル産業の変革”へ【東大松尾研発ベンチャーACESインタビュー】

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2022/11/4(金)

注目のAIベンチャーが自動車業界に参入した。2017年創業の株式会社ACES(以下、ACES)だ。同社は今年5月にSOMPOホールディングスの子会社と資本業務提携を結び、モビリティサービスにおける「AIトランスフォーメーション」に取り組みはじめた。彼らの技術やサービスにはどんな強みがあるのか。また、今後どう開発を進めていくのか。創業者の一人であり、モビリティ分野の責任者である中川大海氏に話を聞いた。

■「AIトランスフォーメーション」とは?

――ACESは、AIの研究や社会実装で有名な東大・松尾研発のベンチャーだそうですね。なぜ起業の道を選んだのでしょうか?

中川氏:起業の検討をしていたころは、ちょうどAIやディープラーニングの技術にブレイクスルーが起きると言われていた時期で、特に海外では技術の活用が進み、続々とスタートアップが誕生していました。アカデミア発の最先端の技術が社会につながっていくのを目の当たりにする中で、企業に就職してエンジニアとして働くよりも、実際に自分たちの手で社会を変えたいと使命感を感じるようになった、というのが大きな理由です。

また松尾先生をはじめ、研究室のメンバーもスタートアップ志向の強い方が多く、アカデミアの研究内容を研究それ自体に閉じず、スタートアップやサービスという形に広げ価値を創出することを後押しする文化があったことも大きな励みとなりました。

株式会社ACES 取締役 中川大海氏

株式会社ACES 取締役 中川大海氏
(写真提供:ACES)


――では、御社の事業について教えてください。

中川氏:ACESは自社で独自に開発したアルゴリズムを用いてクライアント様と二人三脚でDXに取り組むDXパートナーサービス、自社アルゴリズムを組み込んだソフトウェアを提供するAIソフトウェアサービスを提供しています。

――AIを用いたサービスを提供する企業が増えていますが、御社の強みについて教えてください。

中川氏:われわれは、AIの研究開発や受託開発だけにとどまらず、アルゴリズムを事業の価値につなげることを大切にしています。これを説明するキーワードとして「AIトランスフォーメーション」と「AIバリューデザイン」を掲げています。

――「AIトランスフォーメーション」と「AIバリューデザイン」とはなんでしょうか?

中川氏:多くの事業や業務は人の知見や熟練したスキルで成り立っており、属人化による制約が数多く存在します。人に閉じている知見やスキルは構造化されづらいデータですが、ディープラーニングを用いることで構造化され、デジタル上での再現が可能になります。AIアルゴリズムと掛け合わせて再構築し事業に組み込むことで、AIとヒトが協同して互いに進化できる事業へと変革することを「AIトランスフォーメーション」と呼んでいます。

この「AIトランスフォーメーション」を実現するには、単に技術開発をすればいいというわけではなく、5年後10年後に価値を生むための未来の事業や業務のゴール像を適切に描く必要があります。未来の事業を実現するために、バリューチェーンやビジネスチェーンを構造化し、AIが解くべきタスクまで分解して設計するデザイン力が必要になり、これを「AIバリューデザイン」と呼んでいます。

「AIトランスフォーメーション」の事業イメージ

AIトランスフォーメーション事業のイメージ
(資料提供:ACES)



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