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ボッシュ、自動運転開発のFive買収 レベル4の自動運転システム実現へ

2022/4/20(水)

ボッシュは欧州で自動運転分野のスタートアップ企業であるFiveを買収した。4月12日付のプレスリリースで明かしている。
ボッシュは、運転支援システムとセンサー技術によって、早い段階からあらゆる自動化レベルの基礎を築いてきた。安全でよりリラックスした運転の実現を目指し、運転支援システムと部分的および条件付き自動運転機能システム(SAEレベル1から3まで)に焦点を当てた自家用車向けのソリューションを開発している。

同社は、フリートと新たな運用モデルに焦点を当てたより高いレベルの自動化ソリューションにも取り組んでいる。特に、ロジスティクス分野において、SAEレベル4の自動運転システムに魅力的なアプリケーションと、ビジネスの可能性を見出しているという。さらに、ドライバーの介入を全く必要としない世界初の自動運転機能である自動バレーパーキングをすでに開発し、量産準備を整えている。

また、ボッシュは、高解像度デジタルマップ分野のAtlatecを買収し、ポートフォリオを拡充した。これにより、アクチュエーター、センサー、マップからソフトウエア、エンジニアリング環境に至るまで、自動運転に必要なすべての構成要素をワンストップでユーザーに提供できるようになった。

Fiveは、イギリスに6拠点を構え、約140人の従業員が安全な自動運転車両の開発に取り組んでいる。2016年の設立以来、クラウドソフトウエア、安全保証、ロボット工学、機械学習のエキスパートチームを立ち上げ、SAEレベル4の自動運転向けの最先端のソフトウエアとAIベースのソリューションの開発を進めている。

また、Fiveは現在、主に自動運転車両に使用されるソフトウエアのクラウドベースの開発とテストプラットフォームに注力している。このプラットフォームでは、エンジニアが自動運転向けソフトウエアを一定のペースで作成するために必要なプログラムを提供し、テスト車両への配備前や配備中にもソフトウエアのテストが行えるようにする。このプラットフォームにより、テスト車両群からの実データの分析、高度なテストシナリオの作成、システム動作をハイパースケールで評価・検証することが可能なシミュレーション環境を構築することができる。

さらに、Fiveは今後、ボッシュのクロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部傘下となる。自動運転車両の開発のため、ボッシュでアジャイルなプロジェクト体制を強化する。両チームのソフトウエアエンジニアリング環境を互いに補完させ、今後、単一ソリューションとして統合させる予定だ。

なお、両社は、自動運転と安全な自動運転システムという同じビジョンを共有しているという。両社の合意は、4月の初めに署名をもって完了しており、財務的な詳細は非公表とすることで合意している。株式取得は、独占禁止当局による承認を経て成立する予定だ。

▼関係者のコメント
■ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会メンバー兼モビリティ ソリューションズ事業セクター統括部門長 マルクス・ハイン氏のコメント
「自動運転は道路交通をより安全なものとします。私たちがFiveに期待するのは、安全な自動運転向けソフトウエア開発のさらなる推進と、お客様への欧州製の技術の提供です」

■Five CEO スタン・ボーランド氏のコメント
「自動運転技術の構築には、規模が重要です。ボッシュは運転支援技術における世界的リーダーであり、安全な自動運転システムを市場に投入するのに不可欠なコア技術と膨大なデータレイクを保有しています。Fiveが欧州で最強のSAEレベル4プレイヤーの一員となり、ボッシュの未来の成功の一翼を担うことを大変うれしく思います」

■ボッシュ クロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部長 マティアス・ピリン氏のコメント
「Fiveは、特に協調の理念や機動力のあるアプローチという点で、当社のエンジニアリング活動に最適な企業です。これにより、安全な自動運転を道路に導入するという私たちの目標に向かい前進することができます」

(出典:ボッシュ Webサイトより)

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