経済産業省は、「令和4年度 蓄電池等の分散型エネルギーリソースを活用した次世代技術構築実証事業費補助金(再エネ発電等のアグリゲーション技術実証事業のうち再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業)」を6月1日に採択した。今回の実証実験は、同事業のうち、独自実証として行う需給一体型調整モデル実証(発電バランシンググループと需要バランシンググループの連携による需給バランス確保に係る実証)の一部として実施する。

「yOUR」は、「どうせなら楽しく、地球に優しい生活を」をコンセプトに掲げている、脱炭素型ライフスタイル転換促進ウェブアプリケーションだ。消費者行動をゲーミフィケーション※で後押しすることを目的に、行動変容型ディマンドリスポンス(DR)実証事業として実施する。

小売電気事業者のENEOS、エネワンでんき、東急パワーサプライの3社は、「ENEOSでんき」、「エネワンでんき」、「東急でんき&ガス」をそれぞれ埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県で提供している。同実証実験では、それぞれのサービス契約者の中から対象者に「yOUR」の参加募集通知を送付し、合計約6000ユーザーを募集する。2022年8月初旬から9月末までを夏季実証、2023年1月初旬から2月末までを冬季実証として実施する予定だ。

また、実証実験に参加するユーザーへは、アグリゲーターのSBエナジーが翌日の電力需給がひっ迫する特定の時間帯を想定し、「yOUR」の LINE公式アカウントから外出を促す通知を発信する。通知を受領したユーザーは、指定された時間に特定のスポットでチェックインすることで、獲得数に応じてPayPayポイントと交換可能な「環境貢献ポイント(仮称)」を獲得可能だ。夏季実証では、アランチヲネ株式会社が提供する香川照之氏プロデュース自然教育絵本「INSECT LAND(インセクトランド)」のキャラクターが登場するARコンテンツ体験を楽しむことができる。冬季実証では、株式会社セガ エックスディーとSBエナジーが共同で制作するゲームを体験可能だ。

また、同実証実験には、ソフトバンク株式会社、東急不動産株式会社、日本テレビ放送網株式会社、株式会社REXEV、インキュデータ株式会社が協力事業者として参加する。そして、「yOUR」の社会実装や、各社のサービスコンテンツおよびサービスプラットフォームとの連携による事業領域拡大に向けた検討を行う。

同実証実験に参加する各社は、経済産業省資源エネルギー庁が基本的方針として示す「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネスに関するガイドライン」に基づき、行動変容型DR実証を通じた電力需要の抑制を通じて効果的にピークカットを行う。そして、需給ひっ迫の解消に寄与するとともに、火力発電の焚き増しや維持、ピーク電源の新設を回避することで中長期的に安定供給を実現しつつ、発電容量を合理化することを目指す。

なお、実証実験を行う4社、および協力事業者各社は、「yOUR」をはじめとした行動変容型DR実証を通じて、消費者行動のライフスタイル転換を促進し、脱炭素社会の実現に貢献すると述べている。

(出典：SBエナジー Webサイトより)