ニュース

富士通が映像解析プラットフォームを発表 モビリティデジタルツインの実現へ

2020/9/14(月)

イメージ画像

画像:Adobe Stockより

富士通は、自動車から得たデータを解析、利活用するためのプラットフォーム「Digital Twin Analyzer(デジタルツインアナライザー)」の販売を9月25日に開始すると発表した。AI画像認識技術と高精度三次元位置推定技術などの特長を生かし、テレマティクス保険への応用などに期待が掛かる。この製品の展開を通じて、富士通は「モビリティデジタルツイン」の実現をめざす。

「Digital Twin Analyzer」とは

「Digital Twin Analyzer」とは
(資料提供:富士通)



「Digital Twin Analyzer」は、ドライブレコーダーなどの車載カメラが得た映像を解析し、データ活用を行うためのプラットフォームだ。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する製品として開発された。

車載カメラ映像を解析するAI画像認識技術と、自車および周囲物の高精度三次元位置推定技術を実装している点が大きな特徴だ。

富士通のAI画像認識技術は、画像から車両や白線、信号機といったオブジェクトを認識するだけでなく、乗用車やバス、トラックといった車両の種別、横断歩道やセンターラインといった白線の種別などの詳細属性まで認識できる。また、例えば信号機などその時々での変化があるオブジェクトについては、オブジェクトをトラッキングすることで、色などの変化を検知・記録することが可能だ。

また、高精度三次元位置推定技術は、AI画像認識技術で認識したオブジェクトおよび自車の三次元位置を正確に把握することができる。車載カメラの設置条件や種類によらず、市販のドライブレコーダーなどでも高精度な位置推定を実現している。



■テレマティクス保険への活用も

代表的なユースケースには、「損害保険」「道路管理」「ダイナミック情報提供」が挙がる。

まず、損害保険分野では、業務の効率化・高度化が期待できる。例えば、自動車事故が発生した際、車載カメラが取得した映像から事故発生時の進行軌跡や信号の色変化・横断歩道の有無といった詳細な状況を自動で解析することが可能。これにより、効率的な事故対応が可能な自動車保険サービスを提供できる。

富士通は昨年からあいおいニッセイ同和損保らとともに「テレマティクス損害サービスシステム」の構築に取り組んでいる。今回の「Digital Twin Analyzer」は、そのプロジェクトにおいて、相手車両・周辺環境を含む事故状況などの把握に活用されることが決まっている。

次に、道路管理においても業務の高度化が見込める。車載カメラ映像から、事故や障害物の落下など道路上で発生しているアクシデントなどを正確な位置情報とともに自動検知できるため、その情報を基にしてレーン別に規制を敷くなど、細やかな交通管制サービスを提供できる。

そして、ダイナミック情報提供はいわゆるレコメンド機能への応用だ。車載カメラ映像から、建物や店舗の入れ替わりといった実世界の状況を検知して、個人の嗜好に合わせた情報をタイムリーに地図上に表示する情報提供サービスへの活用を想定している。

また、富士通は2021年2月から「Digital Twin Analyzer」を北米や欧州地域も含めてグローバルに展開する予定だとしている。

■「モビリティデジタルツイン」の実現に向けて

近年、コネクテッドカーの開発、そしてさまざまなモビリティサービスへの活用が進んでいる。

富士通はその中で、実世界で絶えず変化を続ける車両や道路などの情報を、デジタル世界上に再現することを目的とした「モビリティデジタルツイン」の実現に向けて取り組みを進めてきた。

富士通が掲げる「モビリティデジタルツイン」のイメージ

富士通が掲げる「モビリティデジタルツイン」
(資料提供:富士通)



2019年10月には、実世界の車両データや天気情報などのデータをリアルタイムにデジタル空間上に再現・分析することができるストリームデータ処理基盤「Digital Twin Utilizer」の提供を開始した。
※今回の発表に合わせ、「Stream Data Utilizer」から名称変更を行った。

今回発表した「Digital Twin Analyzer」はモビリティデジタルツインの実現に向けた第2弾の製品と位置付けられている。車載カメラ映像を活用して自車の周囲状況を高精度に把握することで、デジタル空間上に再現できる実世界情報を格段に広げることができ、自動車ビッグデータを活用した多様なモビリティサービスを支援する役目を担う。前述のテレマティクス保険や道路管理のほか、物流分野の運行管理やルート最適化、まちづくりの分野への活用も見据えている。

ログイン

ページ上部へ戻る