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コネクテッドカー向けサービスの創発「Webとクルマのハッカソン2018」(前編)

2018/4/18(水)

2018年1月27日~28日にかけて、「Webとクルマのハッカソン2018~次世代自動車におけるWebと車の連携アプリ/ビジネスを創発しよう! ~」が開催された。今年は前年よりも多い50名のエンジニア・デザイナーが集まり、Web技術を駆使して新しいサービスを考え、発表した。LIGARE.newsではその様子を前編、中編、後編に分けてお届けする。(前編)

[LIGARE vol.38 (2018.3.31発行) より記事を再構成]

世界中でインターネットとつながるクルマが増えつつある今、様々な情報サービスの享受や自動車の走行状態に関するデータを収集・活用することが期待されており、W3C(World Wide Web Consortium)でもコネクテッドカーからの車両情報の取得・活用に関するWeb 技術の国際標準化が進められている。今回実施された「Web とクルマのハッカソン2018」は、KDDI 総研が実行委員会事務局となり、総務省、経済産業省、W3C、情報通信技術委員会(TTC)、日本自動車研究所(JARI)、WebDINOJAPAN の後援、日産自動車、本田技術研究所、KDDIコミュニケーションズなど、自動車関連、情報関連、計30の企業・団体からの協賛、API協賛を受けて行われた。50名のクリエイター・デザイナーが11のチームに分かれて、自動車の走行状態に関するデータ(車速、アクセル、ブレーキ、エンジン回転数、オドメータ、ハンドル角度、燃費、車両位置、ドア状態、窓状態、トランク状態、室内気温、加速度、など)、ドライバー・同乗者の生体情報(心拍数、覚醒度、など)等を活用しつつ、サードパーティ製の他分野サービスのWeb APIをマッシュアップし、新たなWeb アプリの開発・サービスの提案を競いあった。

コネクテッドカー時代を支える技術背景

API とは、Application Programming Interface の略称で、あるコンピュータプログラム( ソフトウェア) の機能や管理するデータなどを、そのプログラムの外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めた規約である。APIを用いると、アプリケーションからOS などが提供する機能を呼び出すことができる。しかし、これらのAPIは従来、書式に統一性がなく、開発者によってさまざまなフォーマットであったため、Web 技術標準化のための国際的産業コンソーシアムであるW3C が、APIを共通の書式に統一する取り組みを行っている。そのW3Cで策定中であるのが、自動車の各種走行情報をWebアプリケーションから利用するためのインターフェース仕様であるW3C Vehicle APIだ。2014 年にVehicleInformation Access API( 車載機器の制御API 定義) とVehicle Data( 車載機器のデータ定義) が発表され、本ハッカソンではこのAPI を用いたWebアプリ開発が行われた。

開発環境

W3C Vehicle APIに加えて、協賛社からWebAPIが提供された。株式会社デンソーテンからはヒヤリハット地点情報API、株式会社ジンズからメガネによる覚醒度、注意力の測定を行うAPI、昭文社からは地図情報や観光情報がわかるMappleAPI、YuMakeから天気情報API、インクリメントPからはWeb向けの地図APIであるMapFan API、KDDIウェブコミュニケーションズからはTwilio APIなど、提供されたさまざまな拡張APIを用いて開発が行われた。

開発作業の様子



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