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HEREのHD地図、メルセデスベンツの自動運転システムに採用

2022/1/5(水)

HERE Technologies(以下、HERE)のHD Live Mapが、メルセデス・ベンツの自動運転システムであるDRIVE PILOTに組み込まれる。HEREが2021年12月24日付のプレスリリースで明かしている。
DRIVE PILOTは、商用車向けSAE(Society of Automotive Engineers)レベル3自動運転システムだ。ドイツ国内の一定の条件下で車両を操縦するように設計されている。HERE HD Live Mapが、同システムに道路網の正確な情報を事前に提供。これにより、自動モードの車両は事実上「曲がり角を見渡す」ことが可能になる。車両の速度や前方車両との距離を制御し、ドライバーが介入することなく車両を車線内に安全に誘導する。
HERE HD Live Mapは、車両がどこにあるか、前方に何があるかを正確に把握できるよう、複数のレイヤーからなる情報を提供する。これにより、車は道路状況に予測的に対応でき、前方で車線が閉鎖されているような場合には速度を調節する。
メルセデス・ベンツは2021年12月、新型SクラスでDRIVE PILOTを初めて利用できるようにすることを発表した。初めは、ドイツ国内の高速道路の適合区間で、渋滞や混雑時に法定速度である最高時速60kmという条件で自動モードによる運転が可能だ。同システムは今後、他のメルセデス・ベンツの各モデルにも組み込まれ、他の地域の高速道路の適合区間まで対象を拡大するという。

■Mercedes-Benz AGのMBOS(Automated Driving、Powernet & Integration E/E)担当バイスプレジデントであるGeorges Massing氏のコメント
「DRIVE PILOTは広範囲にわたるセンサーからのデータと併せて、道路の形状、ルートプロファイル、交通標識、異常な交通事象(事故や道路工事など)に関する情報をデジタルHDマップから受け取ります。このHDマップの情報は自動運転における重要な要素です。この超高精度な測位システムは、一般的なGPSシステムをはるかに上回る能力を有しています。その結果、当社は生活において最も重要なものの一つ、すなわち時間を、質の高い運転体験とともにお客様に還元することが可能になります。」

■HEREの最高経営責任者(CEO)であるEdzard Overbeek氏のコメント
「SAEレベル3の自動運転が可能な連続生産車両向けにHDマップを提供する世界初の企業の一つとなったことを大変うれしく思います。思い返せば、IAA 2013において当社は、由緒あるベルタベンツメモリアルルートでのS 500 Intelligent Drive研究プロジェクトの一環として、メルセデス・ベンツとともに自動運転の重要な構成要素としてのHDマップというコンセプトの先駆者となりました。それ以降、当社はHDマッピング技術の開発、改良、拡張を続けてきました。本日、当社のHD Live MapがDRIVE PILOTによる快適で安全な運転に寄与する間に、メルセデス・ベンツのドライバーの皆様がまもなく一定の条件下で正式にハンドルから手を放すことができるようになることを心待ちにしています。」

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