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JALやドコモら、企業横断で統計情報を活用する実証実験を実施

2022/10/28(金)

実証実験概要

日本航空株式会社(以下、JAL)らは、データの統計的な活用を通じて、顧客体験価値向上と社会課題の解決に取り組む実証実験を実施する。10月20日付のプレスリリースで明かした。

同実証実験は、JAL、株式会社ジャルカード(以下、JALカード)、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)の3社で実施する。JAL、JALカードは、異業種事業者との提携拡大や顧客データの分析・活用による商品開発・マーケティング展開を推進することで、顧客体験価値の向上に取り組んでいる。また、ドコモは、プライバシーを保護した安全な統計情報の活用を通じたパートナー企業との協業により、災害、交通、環境問題などの社会課題の解決に取り組んでいる。

さらに、ドコモは、日本電信電話株式会社(NTT)の協力を得て、秘匿クロス統計技術を開発した。同技術により、相互にデータが開示されない状態で統計情報を作成および活用することが可能だ。つまり、一連の処理を人の目に触れることなく機械が行なうことを保証して、航空機搭乗前のユーザーの移動状況に関する人口統計情報を作成・活用できる。今回の実証実験では、同技術を活用し、スムーズな航空利用の実現を図る。実施期間は、2022年11月1日~2023年3月31日の予定だ。

なお、同実証実験では、JALが保有する国内線航空券の予約データの搭乗に関する情報と、ドコモが保有する携帯電話ネットワークの運用データの一部(ユーザーが利用する携帯電話の位置データ、およびユーザーの属性データ)を取り扱う予定だ。

さらに、同実証実験では、ユーザーの移動状況(居住地域周辺、空港周辺、その他のいずれか)に関する統計情報を作成する。東京(羽田)、福岡、長崎の3空港を対象とし、航空機に搭乗するまでの4つの時点(搭乗日前日、搭乗日当日の便出発の60分前・40分前・20分前)ごとに調査する。

3社は、この統計情報から得られた、1カ月間における午前便・午後便別などのユーザーの人口推移傾向に基づき、定時出発率の向上に向けた施策を検討・実施する。その後、施策の効果検証を通じて、新サービスに関する知見を得ることで、空港を利用するすべてのユーザーのスムーズな移動の実現に取り組んでいくという。

各社のデータが相互に開示されない状態で、第三者にデータの処理を委託することなく、企業横断で統計情報を作成し活用する取り組みは国内初だ(2022年10月ドコモ調べ)。なお、3社は、同実証実験を通じ、航空分野における異業種事業者の安全なデータ連携の実現による、顧客体験価値の向上をはじめとする社会価値の創造と有用性の検証に取り組んでいくと述べている。

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