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東日本旅客鉄道「モビリティ変革コンソーシアム」を設立 マルチモーダルなモビリティ社会を目指す

2017/12/20(水)


――交通ICはシームレスへ果たす役割も大きいでしょうか。

シームレスについては、4つの切り口があると考えます。1)色々なモーダルをシームレスに乗り継げるマルチモーダル、2)人だけでなく、車や自転車の入場制限をどう解消していくかというバリアフリー、3)Suicaなどのプラットフォームとなる決済系、4)乗換検索などの情報です。この4つをシームレスにすることで顧客の利便性向上するのではと考えています。
例えばiPhone(国内仕様)はチップが内蔵されています。Suicaは乗車券としての利用から、電子マネーとしても利用できるようになっています。Suicaプラットフォームでタクシーなども利用可になっています。横連携は電子マネーの利用も含め積極的に行っています。

 

――アプリの機能についてはいかがでしょうか。

現在はリアルタイム運行情報の閲覧などのバージョンアップを行い、他のアプリ(東急など)とのアプリ間連携も可能になっています。

 

――時刻表などの情報はオープンデータ化されているのでしょうか。

「公共交通オープンデータ協議会」に入り協議などをしておりますが、時刻表などオープンデータになっていません。ここを整備するには費用がとてつもなくかかります。また、第三者へオープンにするメリットについても考える必要があります。例えばオープンデータのメリットは多言語翻訳などが考えられます。

 

――自動運転の活用、連携の可能性についてはどのように考えられていますか。

公共交通機関とクルマとの区分けが曖昧になってくると考えています。グループのバス会社などで自動運転が導入されれば、ドライバー不在のオンデマンド運転が可能になるのではないかと考えています。また、鉄道で異常が起きたときにバスを召集するなどの連携の取りやすさが自動運転にはあるのではと考えています。上手く連携できれば顧客の利便性が非常に上がると思います。一方で、モーダル同士が役割の垣根を越えてくると、脅威に感じる面もあります。

 

――無人鉄道について検討されていますか。

例えばゆりかもめなどは自動運転だと思いますが、人が線路に入らないこと、ホームから降りられないことなどを条件としなければなりません。安全面への整備が必要になってきますし、列車防護係員が必ず乗車していないといけない制度上の問題もあります。また、鉄道の場合100km/hでブレーキを掛けても600mは止まれません。これらの点が自動運転を難しくしている面はあると思います。3月に沖縄で行われた内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の実証実験を見に行きました。バスに乗ってドアが閉まるタイミング、席に着くタイミングなど顧客の動きに応じた流れを考える必要があると感じました。バスのように固定ルートを循環する方法であれば鉄道の自動運転化の可能性もあるかもしれません。一方で、無人運転が技術的にできるということと、顧客が安全に乗るということは、違う話であると考えています。トラブルが起きたときに中央とすぐ連絡を取れる体制が必要だろうと思います。

 

――鉄道という成熟した基盤の中で、横展開を御社が先導して取り組むのか、あるいは他社と一緒に取り組むのか、どちらのモデルをイメージしていますか。

主導権を取りつつ、一緒にやっていきたいというイメージです。日本は優秀な自動車メーカーがあり、バスやタクシーのオペレーションもしっかりしています。
一方で、鉄道は朝のラッシュで15分でも遅れると人が駅に溢れます。他の交通機関と情報連携することでラッシュ時の混雑は解決できるのはと考えています。また、鉄道は未だ完全なバリアフリーではありません。少子高齢化が進む中で、今の鉄道は本当に使いやすいのか考える必要があると思います。交通機関全体でWin-Winとなるように考えていくことが必要です。

 

――そうなると連携しやすいプラットフォームを作っていこうという動きも出てきますね。

必要に応じ公共交通やそれを必要とする人とデータ連携していくことが第一歩になります。クラウドシステムプラットフォームで情報の一元管理を社内で行っているので、それを分析できればもっと便利な運行ができると思っています。自動運転が発達してくると、今までの車と公共交通とのすみ分けがなくなります。カーシェアは、半分は公共交通の考え方に近いのではないでしょうか。今まですみ分けされていたものが入り組んで来た時に、鉄道会社として、然るべき方針を打ち出せるようにしたいです。

鉄道会社である東日本旅客鉄道が先陣を切って「モビリティ変革コンソーシアム」での取組みを始めたことによって、各公共交通機関のみならず、多方面から非常に注目を集めている。「モビリティ変革コンソーシアム」は日本の移動のあり方を大きく変えてくるのか。新しい取組みに期待が集まっている。

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