JR西日本、AIを活用した「着雪量予測モデル」の本格運用開始
2022/12/5(月)
西日本旅客鉄道株式会社(以下、JR西日本)は、AIを活用した「着雪量予測モデル」の本核的な運用を開始する。11月30日付のプレスリリースで明かした。同モデルは、2020年度より試験運用を開始していたものだ。
北陸新幹線では、車両の台車部分に付着する雪が一定量以上見込まれる場合に、糸魚川駅上りホームで雪落とし作業を行っている。この雪落とし作業の実施発動は、気象予報をもとに決定していたが、結果として車両に雪が付着していないケースもあった。このため、不要な作業者の配置や、作業実施のための運転規制により、列車遅れが発生するなどの課題を抱えていた。同社は、雪落とし作業の実施発動をより高精度化すべく、株式会社SIGNATEのデータ分析コンペティションを活用して、社内外から募集したAI予測モデルより、「着雪量予測モデル」を構築。そして、同社デジタルソリューション本部データアナリティクスと連携して、業務実装に向けた検証を進めてきた。2022年3月までの検証によると、雪落とし作業実施を適切に発動し、また同モデルが車両への着雪を見逃したことは無いという。
さらに、同社は、不要な雪落とし作業の実施を抑制したことにより、「不要な作業者の配置を行わないことによる人件費削減」、および「糸魚川駅を通過する列車の臨時停車を減らすことで、北陸新幹線の安定性維持」といった効果を得ている。なお、同社は、今後もAIを活用した技術革新に取り組んでいくと述べている。
(出典:JR西日本 Webサイトより)