かもめや、ドローン無人運用支援パッケージを提供開始 低コスト・即利用可
2020/10/5(月)
株式会社かもめや(以下、かもめや)は、ドローンをはじめとする無人移動体運行に必要となる無線機器をハイテクインター株式会社(以下、ハイテクインター)より調達し、無人移動体運用包括支援システム「OceanMesh(オーシャンメッシュ)」サービスの提供開始を10月5日に発表した。
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離島や山間部をはじめとする過疎地域では、少子高齢化の影響で物流や医療面での課題が急増している。船はあっても操縦士が不足して船が出せない、医師や医薬品、医療機器・設備が足りないといった課題ががある。また、無人飛行を行う際に通信キャリア網を使いたくても、離島や山間部は通信環境が整っていない場所も多く、運用調整や費用と合わせ、高いハードルがあった。かもめやは、これらの課題を解決するため、OceanMeshのサービス提供を開始するに至った(サービス提供は8月から開始)。
OceanMeshの最大の特徴は「広帯域・低遅延・常時接続が可能な高品質の移動体通信ネットワーク」を素早く、低コストで構築できることだ。5.7GHz帯の小型基地局を地上に設置し、ドローンに搭載したカメラと無線伝送装置(MPU5)によって、気象データなどさまざまな運行状況データのリアルタイム監視を行う。ハイテクインターの無線伝送装置(MPU5)は、映像とテレメトリデータ(遠隔地の測定データ)を同時多接続かつ、これまでにない長距離・広範囲で送受信することができる国内唯一の機器だ。
これにより、無人物流を実装するために国土交通省が出している「目視外/補助者なし運用」※における、(1)周辺の気象状況の常時監視 (2)機体周囲状況確認の両条件をクリアし、ドローン目視外運用に必要となる仕組みをワンストップで提供することが可能になった。
※「空の産業革命に向けたロードマップ」では、ドローンの利活用について以下のレベル分けがなされ、それぞれに応じた要件が定義されている。[レベル1] 目視内での操縦飛行、[レベル2] 目視内飛行(操縦なし)、[レベル3] 無人地帯での目視外飛行 (補助者なし)、[レベル4] 有人地帯での目視外飛行(第三者上空)
同社は今年7月に、あいおいニッセイ同和損保と香川大学と共同で香川県三豊市・粟島間の無人ドローン遠隔診療実験に成功した実績がある。今後は、OceanMeshサービスを日常的に自治体や山間部の宿泊施設、イベント会場などで活用するだけでなく、災害時を想定し、非常用の通信インフラ配備などにも活用できるようにする予定だ。将来的には、このプラットフォームを離島の多いアジア諸国にも展開し、各国の地域課題の解決に役立てることを目指している。