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KDDIら、愛知県春日井市で貨客混載型の自動運転×MaaS実証実験実施

2022/2/7(月)

実証実験の流れ

愛知県春日井市(以下、春日井市)、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下、名古屋大学)、株式会社KDDI総合研究所(以下、KDDI総合研究所)は、貨客混載型の自動運転×MaaSの実証実験を2月1日から3月11日まで実施する。2月4日付のプレスリリースで明かした。
同実証実験は、春日井市高蔵寺ニュータウン地区にて実施する。同地区は、まちびらきから50年以上が経過し、初期入居者が一斉に高齢期を迎えている。坂道が多い土地柄や人口減少などによる路線バスの運行本数の減少により、運転免許証返納後の移動手段に不安を抱える人が増加。米や飲料などの重い荷物やかさばる荷物を持って移動することを不便に感じる人も増えてきている。

3者は、これまでに同地区内の移動を支援する自動運転サービスの実証実験などを複数回にわたり実施してきた。しかし、人の送迎のみでは車両の空き時間が発生し非効率な運用になってしまうこと、車両の稼働率が低いと将来事業化した際に採算が見込めないことが課題だった。また、地元商店も地域モビリティサービスを商品の配達に活用することにより、大きな初期投資なく新たな付加価値を創出できると期待している。

同実証実験では、あらかじめ登録された128カ所の停留所(店舗2カ所を含む)間を、ユーザーからの乗車・配達注文の予約に応じてルートを決定し、ゆっくりカートを運行する。運行にあたり、KDDI総合研究所が2021年6月に開発した複数予約の運行経路設定や相乗り調整を自動で行う運行管理システムを貨客混載型に改良し、利用する。同システムに、配達機能として商品注文から自動運転車予約までの自動化および人と商品で優先度を変えた運行制御を追加する。これにより、車両稼働率の向上を図るほか、受容性の分析やビジネスモデルの検討を行う。

同実証実験は、人の送迎と商品の配達という配車要件の異なる移動サービスを組み合わせ、きめ細やかな停留所配置により住民の自宅近くまでの送迎・配達をオンデマンド型の自動運転で実現するという、新しい試みだ。3者は、今後もさまざまなパートナーと連携し、移動手段の拡大などにより、地域密着型MaaSのさらなる高度化を図るという。そして、社会実装に向けた取り組みを推進していくと述べている。

なお、同実証実験は、内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省が連携し選定する令和3年度スマートシティ関連事業のうち、経済産業省「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(地域新MaaS創出推進事業)」の実証事業に採択された取り組みだ。

優先制御追加の様子


(出典:KDDI総合研究所 Webサイトより)

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