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MaaS誕生の地 フィンランド取材(1/2):MaaS Global社CEOインタビュー

2018/10/11(木)

2017年トヨタファイナンシャルサービスとあいおいニッセイ同和損保、デンソーがMaaS Globalに相次いで出資。トヨタ自動車が2018年1月に行われた、最先端の自動車技術の動向が発表される場所として注目されている家電の展示会CESで、自動運転を活用したMaaS(Mobilty as a Service)専用次世代EV e-Palette ConceptとMaaSビジネスにおけるモビリティサービスプラットフォーム(MSPF)を発表した。世界的にも大きなインパクトがある報道で、日本国内でMaaSの注目度が一気に高まった。

日本では自動車メーカーがMaaSに着目するためか、「MaaSはライドシェアではないか」「自動運転サービス」ではないかと解釈する人も多い。しかし海外では違う解釈がされているようだ。「日本のMaaSはガラパゴス化していないか」と懸念する声もある。

MaaSとはそもそも何か。トヨタファイナンシャルサービスとあいおいニッセイ同和損保、デンソーが出資したMaaS Global社が提供するスマホアプリ「Whim(ウィム)」とは何か。

MaaSの誕生の地と言われ、MaaS Global社の本社があるフィンランドを2018年3月に現地取材した。

現地のインタビュー先は2つ。日本のITS JapanにあたるITS Finland、MaaS Global社、ヘルシンキ周辺の公共交通の路線の計画や切符の販売を行うヘルシンキ地方交通局、運輸と情報通信を所管するフィンランド交通通信省だ。

フィンランドの国土は南北に約1500キロメートルと縦に長く、日本に比べると人口がずっと少ない。そのフィンランドではデジタル化が進んでいる。マイナンバーや医療データ統一なども早くから行われ、税金の使い方や納税額などデータはオープンで透明性も高く、国民やユーザーはそれに対してある一定の利益と信頼を感じているのだという。

また業界、公民学産、ヒエラルキーの壁を超えた議論を行う「オープンカルチャー」がフィンランドには根付いており、一つの目的を達成するためにさまざまなステークホルダーがともにムーブメントを動かすシステムとしての“エコシステム”がイノベーションを生んでいる。

(モビリティジャーナリスト 楠田悦子氏)

インタビュー(1):MaaS Global社CEOのSampo Hietanen氏

世界で高い注目を集めるアプリがある。自分の現在地から目的地を検索すると、経路から移動手段の検索、さらにはその移動手段の支払いや予約まで完了。そのアプリの名前は「Whim(ウィム)」。モビリティサービスの概念 Mobility as a Service(以下MaaS、マース)を用いたサービスの代表格だ。

「一人当たり月々30ユーロの支出をする情報通信で起きた革命が、その10倍の市場規模のモビリティサービスで起きたならば、移動は今の自由を超えられる」

MaaSとWhimはそんな発想からフィンランドで生まれた。オープンデータ、オープンAPIを通して、バスや鉄道の公共交通のみならず、自転車シェアやライドシェアなど、あらゆるモビリティサービスの情報を統合し、よりよいサービスを提供する。全てはエンドユーザーのよりよい移動のためだ。例えばヘルシンキ市内の公共交通は、ヘルシンキ地方交通局が提供するモバイルアプリがある。スマートフォンを使って、アプリをダウンロードし、クレジットカードの番号を登録。乗車時にアプリで切符を購入すれば、バスなら乗車時に提示、トラムや電車なら時々巡回してくる駅員に提示するだけ。乗降時に小銭を用意したり、交通系ICカードを端末にかざしたりしなくても済む。この交通事業者などからばらばらに提供される、モビリティサービスのアプリの情報を第三者(MaaSオペレーター)が、エンドユーザーに代わって集め、使いやすいように加工して提供したらよいのではないか。オープンデータとオープンAPIにより実現が可能になるのではないか。というのが、フィンランドのMaaSの考え方であり、そのサービスを提供しているアプリの一つがWhimだ。

Whimは、MaaSの生みの親と言われるSampo Hietanen氏が創始者であるMaaS Global社が運営している。MaaSとは何か?どのように着想したのか聞いた。

写真左:MaaS Global社のCEOである Sampo Hietanen氏


――MaaSのアイディアはどのように着想を得たのですか


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