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フィンランド発のMaaS 交通のわずらわしさがなくなる日

2018/1/23(火)

1月9日から12日にかけて米国ラスベガスで行われたCESで、トヨタ自動車がクルマ会社からモビリティサービスの会社へ転換すると宣言した。日本では、MaaSという言葉が独り歩きしているが、フィンランドに拠点を置くマース・グローバル社では、同社が自社開発したスマホアプリ「Whim」でまさにMobility as a Serviceを確立している。2017年10月に東京で行われたTU-Automotive Japan2017の講演で、マース・グローバルのCEO、Sampo Hietanen氏が語ったMobility as a Serviceとは――。
フィンランドで導入されている「Whim」

「Whim」ではタクシーやバス、電車などの公共交通機関を複数組み合わせて予約から決済までが可能だ。ユーザーが必要なパッケージを選択し、月額料金で全ての交通サービスを利用できるため、自家用車を持たなくても、シームレスで効率的、そして自由な移動が可能だ。目的地を入力すると最適な移動手段が提示される。また、出発時刻を知らせて、地図で案内してくれる。アプリが学習して個人のスケジュールをも把握してくれるようになる。

出典:マース・グローバル



MaaSの実現には自家用車と同じ自由度が必要

TU-Automotive Japan2017の講演の冒頭でSampo Hietanen氏は、「2006年頃は『Whim』のようなサービスを実現することは不可能だと言われた。ようやくMaaSという概念が受け入れつつあり、追い風が吹いている」と、述べた。

Sampo Hietanen氏によると、MaaSのシステムを確立するのに重要なことは自家用車と同じ程度の自由度を確保することだという。移動の自由は宅配やカーシェアリングだけでは不十分であり、ユーザーが満足するような移動を完全なパッケージで提供する必要があるという。また、「Whim」のようなサービスを実現させるには、各交通機関やサービスとのコラボレーションと、ユーザーから全ての交通手段にアクセスできるアプリケーションの存在が不可欠だと述べている。しかしながら、公共交通機関は巨大な組織であるため、フィンランドのように、政府が率先してエコシステムを築いていく必要があるとSampo Hietanen氏は語る。

出典:マース・グローバル



自家用車の排除ではなく、新しいソリューションの提供を

スウェーデンのストックホルムでは、維持費がかかる、CO2排出量の削減問題などにより、免許を取る若者、クルマを所有する人の割合が減ってきているという。また、ヨーロッパの都市部ではクルマを排除するという取組みも出てきている。Sampo Hietanen氏は、「自家用車を排除してユーザーの自由を奪うのではなく、新しいソリューションを提供する必要がある」と強調する。

出典:マース・グローバル



「Whim」利用者に実施したアンケートからは、移動手段の変化が見て取れる。鉄道やバスなどの公共交通機関の利用が飛躍的に増加し、タクシーやカーシェアリングなどの移動も増えたという。環境に優しい交通手段を選択することで、街での生活も豊かになる。

MaaS のマーケットは2030年までには1兆ドル

ABI Researchによると、MaaS のマーケットは2030年までには1兆ドルのサービス収益になるといわれている。

出典:マース・グローバル



「十分な交通手段の供給量があって、全ての交通手段にモバイルアクセスが可能で、人口分布が整っているという条件があれば、MaaSは実現が可能だ」とSampo Hietanen氏は述べる。従来の交通機関に加えて、カーシェア、バイクシェア、ライドシェアなど新たな交通手段が増えてきているため、今後は全世界で「Whim」のような新しい交通システムが広がっていくとSampo Hietanen氏は見通している。MaaSによって人の移動が革命的に変わる日は近い。

出典:マース・グローバル

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