初のラストワンマイル、自動車DX・GX検討会を開催 国交省
2023/2/21(火)
公共交通が不便な地域のタクシー、ラストワンマイルの確保・改善を6回にわたって検討する
写真は検討会の山内弘隆座長
写真は検討会の山内弘隆座長
国土交通省は2月20日、「第1回ラストワンマイル・モビリティ/自動車DX・GXに関する検討会」を開催した。公共交通が不十分な地域で基幹交通や日常生活拠点へのラストワンマイルを担うと定義する、タクシーや乗合タクシー、自家用有償旅客運送の確保が会の設置目的。関連する制度や運用の改善を図り、DXによる効率化や社会的要請に応えるGXについても検討する。
検討会は、座長を山内弘隆 一橋大学名誉教授が務める。6月下旬までに6回の検討会を開き、地方のタクシー事業者や配車アプリなどのIT事業者、自治体などにヒアリングもして、とりまとめを行う予定。5月下旬に開催予定の第4回検討会までラストワンマイル・モビリティの制度・運用を議題とする。第4回で中間とりまとめを行い、制度・運用を順次改善していく計画。6月上旬と下旬に開催予定の第5回、第6回ではDX・GXをテーマとする。
今年2月10日に閣議決定された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下、地活化法)を大きな枠組みとする。下位法令の省令や通達、既存の制度を利用して改善を図る。
第1回検討会では、国交省自動車局の堀内丈太郎局長が「制度運用の柔軟化、DXの導入などを組み合わせて交通不便地域をどう減らしていけるか、自動運転タクシー・バスといったDX、GXがこうした地域のラストワンマイルにどのように関わっていくかについてもヒアリングを交えて検討・議論をお願いできれば」とあいさつした。
検討会の山内座長は「地域交通を考える上で新しい政策を打ち出す必要があるのではと思っていたところ、地活化法にいくまえに骨太の方針に地域交通が盛り込まれたりして、このところの行政の政策の展開には素晴らしいものがあったと思っている。ラストワンマイルを改善することで地域公共交通の最後の仕上げになるのでは」と語り、課題の解決に強い意欲をのぞかせた。
初回の議論では「タクシー事業者の車両台数の規定を現在の5台から地域のニーズに合わせて減らしては」「人口30万人以上の地域でのみ営業可能な個人タクシーを地方でも認めては」といった意見が出たという。国交省は議事の概要を後日公開する予定。