NTTデータら、モビリティで収集したセンサデータを活用したユースケース実証実施
2023/1/30(月)
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)らは、モビリティで収集したセンサデータを利用し、AIによる空調自動制御を行う施設マネジメントのユースケース実証を1月16日~27日に実施した。1月27日付のプレスリリースで明かしている。
デジタルツインには、あらゆる場所・時間のモノ・コト・ヒトの情報を集約し、適切な計画・連携・意思決定に活用できることが求められている。しかし、現状のデータは、特に屋内空間ではセンサ等の機器が設置できた場所のものに限られてしまい、網羅的ではない。また、データの収集にはコストも手間もかかるという課題がある。同実証は、三菱電機株式会社(以下、三菱電機)とともに、デジタル庁から受託した「デジタルツイン構築に関する調査研究」において、空間ID※ をキーにしたデータ流通の第一歩として実施するものだ。自律移動ロボット(以下、AMR)を活用し、このような課題解決を目指し、AMRの有効性を検証する。同社は、AMRにより、移動センシングの仕組みで固定センサの設置にかかるコストや手間を軽減でき、収集可能エリアを拡大することができると考えているという。
※ 3次元空間を人や自律移動ロボットが判読可能な仕様で分割した空間ボクセルに、静的・動的な情報をひも付けられるための一意の参照点のこと。(プレスリリース)
具体的な実証内容としては、温湿度センサを搭載した三菱電機のゴミ箱AMRと、収集した温湿度の情報と時刻を空間IDにひもづけて空間ID基盤システムを連携した。そして、同AMRをNTTデータ品川ビルの2階エントランスフロアを自律移動させている。さらに、収集したデータに来館者の数、外気温、空調運転状況などの情報を追加し、AIによる空調制御シナリオ算出技術を活用した。これにより、消費エネルギーを抑えつつ温冷感指標(Predicted Mean Vote)が最適となる空調制御を実施している。AIによる空調自動制御は、日本電信電話株式会社(以下、NTT)の技術を活用したものだ。
同実証の特長は、施設美化の用途に閉じたサービスを提供するのではなく、さらにゴミ箱AMRが温湿度データを収集し、AIによる空調制御最適化という別のサービスにも活用する点だ。実証の結果として、固定センサデータで稼働した場合と同等のシナリオが生成でき、移動センシングのデータでも問題なくAIによる空調制御が稼働できることを確認している。
くわえて、同社は、協調型のユースケースが増えることにより、データ収集のコストや手間が低減され、それらのデータを活用したサービスの拡大や利用コストの低減につながると考えているという。
なお、同社は、今回の実証を通じて得られた知見をもとに、デジタルツインの社会実装実現に向けたユースケースの創出と実装を推進する。そして、空間IDの活用を含めてNTTグループで推進する「4Dデジタル基盤」を実現することで、社会課題の解決に貢献していくと述べている。
(出典:NTTデータ Webサイトより)