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小田急とJR東日本、町田市でオンデマンド交通の実証開始 商業施設とも連携

2021/1/20(水)

小田急電鉄株式会社(以下、小田急電鉄)と東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は、1月18日から3月12日まで、町田市内でオンデマンド交通を活用するMaaSの実現に向けた実証実験を行う。

今回の実証実験では、小田急グループの神奈中タクシーがオンデマンド交通「E-バス」を運行する。対象エリアは小田急・JR横浜線の町田駅と路線バスで結ばれ、幅広い年代層が居住し多様な生活サービス施設が整備された町田市山崎町周辺だ。それに伴い、商業施設と連携したデジタルチケットや、リアルタイム情報を組み合わせた経路検索サービスの提供も実施する。

両社のMaaS分野での連携は、2020年1月から3月にかけて実施した「『立川おでかけアプリ』を用いた立川駅周辺エリアにおけるMaaSの実証実験」に次ぐ2度目の事例となる。また、今回の取り組みは、東京都が公募した「令和2年度MaaS社会実装モデル構築に関する実証事業」に選定されている。

■乗合型オンデマンド公共交通サービス「E-バス」

「E-バス」の運行には小田急電鉄が提供するMaaSアプリ「EMot」を活用する。希望の乗降地点を「EMot」の配車リクエスト画面で選択し、自宅付近などの「乗車地点」から目的地近くの「降車地点」までの配車を手配することができ、支払いまでアプリ内で完結する。

なお、小田急電鉄が昨年行った「E-バス」の無償運行による実証実験を踏まえ、今回はミーティングポイントの増設(19カ所→26カ所)、EMotの配車画面のリニューアル電話による配車受け付け、など、サービスの実用化に向けたさまざまな改善を実施し、有償で運行する。この取り組みを通じて、郊外住宅エリアにおける有償オンデマンド交通の需要や各種施設への送迎機能・送客効果などを検証する。

予定期間は1月18日から3月12日まで、7時から21時まで運行する。また、神奈中タクシー株式会社が運行を担う。運賃は1乗車100円で、「EMot」内決済・交通系ICカード・現金に対応する。車両はトヨタのハイエースを使用し、ドコモのAI運行バスを配車システムとして採用している。



■公共交通と駅周辺商業施設の連携で、相乗効果を検証

町田駅直結の「小田急百貨店町田店」「ルミネ町田」では、一定金額以上購入した利用客に「E-バス」と神奈川中央交通の路線バス(「E-バス」運行地域である山崎町周辺と町田駅を結ぶ系統)の無料利用チケットを各施設の所定のカウンターで発行する。駅周辺の商業施設と公共交通の一体的な利用による相乗効果を検証する狙いだ。また、この施策においては、利用における相乗効果のほかに自家用車による駅前混雑の低減についても検証する。

小田急百貨店町田店では2021年1月18日から3月12日まで、ルミネ町田では2021年2月1日から2月28日まで配布を実施する。なお、各店舗先着2,000セットで、無くなり次第終了する。


■リアルタイム情報を組み合わせた経路検索サービス

さらに、JR東日本が提供する「リアルタイム経路検索」の対象に小田急線と神奈川中央交通の路線バスを追加し、両社の公式アプリ(「EMot」「JR東日本アプリ」)にて提供する。対象路線を含む経路を検索すると、遅れが生じている場合にはその遅れを加味した検索結果を表示する。この機能追加を通じ、複数事業者による鉄道とバスの遅れ情報を反映した「リアルタイム経路検索」の結果について、両社アプリにおける表示の分かりやすさおよび受容性を検証する。実施期間は2021年1月18日から3月12日まで。
左: EMotにおける表示、右:JR東日本アプリにおける表示

左: EMotにおける表示、右:JR東日本アプリにおける表示

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