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パイオニアと東京海洋大学、3D-LiDARセンサーを活用した船舶自動化の共同研究契約を締結

2018/12/21(金)

【研究開発で使用する船舶(イメージ)】

【研究開発で使用する船舶(イメージ)】

パイオニア株式会社(以下、パイオニア)と国立大学法人東京海洋大学(以下、東京海洋大学)は、3D-LiDARセンサーを活用した船舶の自動化に関する共同研究契約を12月14日に締結した。
昨今、世界の各地域で自動車の自動運転に関する技術開発が行われる中、地球の約7割を占める水上の移動手段である船舶についても、自動化の取り組みおよび国際基準の整備が進められている。今回の共同研究では、パイオニアと東京海洋大学 学術研究院(代表;古谷雅理准教授、協力;清水悦郎教授、大島浩太准教授)が連携し、将来の自動運航船の実用化に向けて、船舶における3D-LiDARセンサーを用いた自船位置推定技術、周辺環境認識技術の確立および検証を行う。パイオニアの3D-LiDARセンサーおよび、カーナビゲーションで培ってきた高精度な自車位置推定技術と、東京海洋大学の船舶運航に関する知見を持ち寄り、世界的に研究開発が進められている船舶の自動運航においてグローバルに活用できる技術の確立を目指すとしている。

■共同研究における役割

〇パイオニア
パイオニア製3D-LiDARセンサーでのデータ収集および自船位置推定、周辺環境認識アルゴリズムの開発
〇東京海洋大学
研究開発を実施するための船舶実験環境の提供および船舶運航に関する知見に基づく自船位置推定、周辺環境認識アルゴリズムの検証

■背景

海運業界では、海運従事者の減少および高齢化が課題となっている。また、世界で発生している海難事故の62%(※1)、日本においては約74%(※2)が人為的要因によるものと言われており、それらの課題解決が求められている。船舶の自動化は、人為的要因による海難事故の抑止とともに、海運事業における労働環境の改善、生産性向上にも大きく貢献すると期待されており、主要な海運先進国ではさまざまな取り組みが進められている。日本においても2018年6月に、国土交通省が自動運航船の実用化に向けたロードマップを作成しており、2025年以降の普及に向けてさまざまな検討、検証が行われている。
※1 欧州海上保安機関公表(2011年~2015年データ)
※2 海上保安庁 平成29年 海難の現況と対策 調査資料(2013年~2017年データ)

■東京海洋大学の自動運航船に関する取り組み

東京海洋大学では、小型自動運航船による都市型水上交通システムの実現を目指し、遠隔および自律操船を実現するための自動離着桟技術を含む船舶自動制御システムを開発している。これを実現するための各種センサー技術、無線通信技術、推進システムのメンテナンスフリー化などに関する研究も並行して行っている。また、自動運航船を社会実装するための法規制面への対応も行っている。

■パイオニアの3D-LiDARセンサー開発

3D-LiDARセンサーは、レーザー光で対象物までの正確な距離を測定し、遠方や周辺の状況をリアルタイムかつ立体的に把握できるため、自動車の自動運転レベル3以上の実現に不可欠なキーデバイスと言われている。パイオニアは、高性能で小型かつ低コストなMEMSミラー方式の3D-LiDARセンサーの開発を進めており、自動車をはじめ幅広い用途向けに提案を行っている。

2019年1月に開催されるCESでは、今回の船舶をはじめとする3D-LiDARセンサーを用いたさまざまな業種との連携事例を紹介する予定だ。

【パイオニア製3D-LiDARセンサー 2018年モデル】

【パイオニア製3D-LiDARセンサー 2018年モデル】



【3D-LiDARで収集した点群データ】

【3D-LiDARで収集した点群データ】



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