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フィンランド発Kyytiの取り組みからMaaSを学ぶーLIGAREビジネスセミナー

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2019/5/13(月)

Kyyti Group(クーティグループ)CEOのPekka Möttö氏(ペッカ・モットー氏)

国内のMaaS市場が活発化する一方で、地方の移動課題や乱立するサービスの統合などさまざまな課題も浮き彫りとなってきた。 そうした状況の中で、MaaS発祥の地・フィンランド発の企業であるKyyti Group(クーティグループ、以下Kyyti)からCEOのPekka Möttö氏(ペッカ・モットー氏、以下モットー氏)を招き、3月28日都内でLIGAREビジネスセミナーを開催した。世界で事業展開を行うKyytiグループの数々の取り組みと、先行者の立場から見た国内MaaS市場における課題解決のヒントを探る。

フィンランド発のMaaSプラットフォーマーKyyti

KyytiはMaaSが生まれた地であるフィンランド発の企業で、オンデマンドのライドシェアリングサービス、フィンランド最大の自動車メーカーへの通勤サービス、公共交通機関のチケット販売の統合といった幅広い分野でサービス提供を行っている。同セミナーにも登壇したBusiness Finland(※)から500万ユーロの資金援助を受け、地方の公共交通問題の解決を目指した全国規模のプラットフォーム構築を進めている。
※Business Finland(ビジネスフィンランド)・・・スタートアップ支援や投資誘致などを行うフィンランド経済・雇用省傘下の政府機関。
モットー氏はKyytiについて「運輸・IT業界の経験がある人材をそろえ、輸送システムの運営やデータのモデリングについての経験を最大限高いレベルで融合させた企業だ」としている。あくまでソリューションを提供する立場であり、MaaSプレイヤーではないという位置づけだ。「MaaSとは特定のビジネスモデルを指すのではなく、顧客を中心とした全ての輸送関連システムを指す」とし、これまでKyytiが取り組んできたMaaS関連のプロジェクトを紹介した。

Kyytiはフィンランド国内で郊外でのMaaS事業などに取り組んでいるほか、オランダでは運輸省と連携して総額4,000万ユーロにも上る大規模なパイロット事業を展開している。また、Kyytiのビジネスを行う地として注目しているのは欧州だけではない。アメリカ・カリフォルニア州で2019年にMaaS & DRT(デマンド型交通)プロジェクトを立ち上げ、MaaS関連のテクノロジーを活用する事業を行っている。モットー氏は北米市場について、「新しいモビリティサービスにとって非常に興味深いマーケットだと考えている。巨大な規模のマーケットであると同時に、既存の輸送システムの質に問題を抱えている。それはつまり、大いに改善の余地があるということ」と述べた。また、もう一つの注目すべき市場として挙げたのが、ここ日本だ。「(発祥の地である)フィンランドを除けば、MaaSに一番関心を寄せているのは日本だと思う」とモットー氏は語り、日本企業とのパートナシップ締結と市場への進出に強い意欲を見せた。


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