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埼工大、2021年度の自動運転走行距離公表 前年度3.7倍の1万km超

2022/5/25(水)

レインボーII、論語の里バス

埼玉工業大学(以下、埼工大)は、自動運転技術開発センターの2021年度(2021年4月~2022年3月末)の活動実績として、自動運転の走行距離が年間合計1万1229㎞を達成した。5月23日付のプレスリリースで明かしている。
同大学は、2020年度に自動運転で2970㎞を走行した。2021年度の走行距離は、2020年度の約3.7倍に増加しており、東京、福岡間を5往復走行した距離に相当する。これは、国内の大学における自動運転バスの走行距離として最長級の長距離走行だ。同大学は、走行距離増加の要因として、大型バス(レインボーII)とマイクロバス(リエッセ II)の2台体制で研究・開発を行ったこと、コロナ禍においても各種の実証実験に参加したことを挙げている。


また、同大学は、深谷観光バス株式会社との協力により、NHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公ゆかりの地を巡る「渋沢栄一 論語の里 循環バス」を運行した。このバスが、特に距離が大きく増加した要因だ。業務用の緑ナンバーを取得し、約1年弱の長期間にわたり継続的な営業運行を実施しながら、路線のコース内の自動運転区間を最大26kmへ拡大して走行している。

さらに、同大学は、埼玉県外の自治体の自動運転に協力し、栃木県・茂木町と千葉市・幕張新都心の実証実験に参加した。同大学は、自動運転バスを開発して3年目となり、これまでに関東地方では1つの県を除く、1都5県において各種の実証実験に参加して、各地の公道を走行した。自動運転の実用化に向けた各地域の社会実装課題に対して、産官学の協力による課題解決に取り組んでいる。

なお、埼工大の自動運転バスは、自動運転OSのAutowareをベースに、独自開発したソフトウエアSAIKOカーWareにより、AI技術を積極的に採用して、自動運転レベル4相当を目指して開発を進めている。このソフトウエアを使うことにより、システムによる自動運転とドライバーによる運転が即時にスムーズに切り替え可能で、交通の状況に応じて安全に、一般公道を法定速度で走行することができる。

■自動運転技術センター長 渡部 大志氏のコメント
埼工大は、2017年12月より、地元・深谷市内の公道における実証実験を開始しました。2019年8月にマイクロバス自動運転バスを開発し、その後全国各地での各種自動運転の実証実験に積極的に参加して、経験とノウハウを高めてきました。
その経験を生かして、大型自動運転バスを開発して、業務用の緑ナンバーも取得し、深谷観光バスとの協力により、乗客を乗せて公道での自動運転を長期間実施した経験を重ねました。
さらに、日本財団の「水陸両用無人運転技術の開発 ~八ッ場スマートモビリティ~」プロジェクトにも参加し、コンソーシアムのメンバーとの共同開発により、陸上での自動運転技術の経験を水上へ転用する世界初のチャレンジにも成功しました。
年間1万キロを超える長距離の走行を実現できましたのは、関係府省庁、関係自治体、関係機関、関係各社、そして深谷市と近隣の住民の方々の温かいご支援ご協力によるもので心より感謝申し上げます。

リエッセII、栃木ABCプロジェクトの参加


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