農家と物流会社をAIでマッチング 住友商事がサービス実証開始
2020/10/6(火)
住友商事が農業関連物流マッチングサービス「CLOW」の本格事業化に向け、実証実験開始を発表した。
住友商事は、現在の日本の農業関連物流について、各農家が自ら農産物を集荷場や卸売市場に持ち込む、農業法人各社が大消費地への輸送を個別に手配する、など改善の余地が大きいという見解を示している。CLOWは、農家や農業法人と物流会社のマッチングサービス。農作物の出荷や輸送をしたい農家および農業法人と、輸送スペースを有効活用したい物流会社をマッチングする。クラウドで出荷者・物流会社の情報を一括集約・管理し、AIが最適ルートを選定する。自家用トラックで運ばざるをえなかった農家に新たな物流の外注手段を、個別に物流を手配していた農業法人に共同配送による安価な物流システムを、また物流会社には新たなビジネスチャンスを提供する。
今回の実証実験は、東三温室園芸農業協同組合(愛知県豊川市)と日本通運の協力の下で行う。組合から提供された過去の農作物出荷データをCLOWに入力、AIが選定した集荷・配送ルートの効率性を日本通運と精査する。CLOWのアルゴリズムの蓋然性を検証し、同時にアプリケーションの操作性などについてヒアリングを重ねることで、今年度中のCLOWの市場への試験導入を目指す。
また、丹後王国ブルワリーの協力の下で、京都府京丹後市でも同様の実験を行う予定だ。