TIS、PIX Moving社と提携 MaaS関連サービス構築・提供へ
2022/7/13(水)
TISインテックグループのTIS株式会社(以下、TIS)は、自動運転EV向けの共通シャシーを開発する中国の貴州翰凱斯智能技術有限会社(以下、PIX Moving社)と資本・業務提携した。7月11日付のプレスリリースで明かしている。
PIX Moving社は、中国、米国、イタリアに拠点を置く自動運転EVスタートアップ企業だ。スケートボード型のEVシャシー、各種MaaS用ロボットの開発・製造、自動運転の移動空間「RoboBus」、および有人運転EV商用車/乗用車の量産化製品を提供している。これまでには、日本を含め世界20カ国にさまざまな製品を提供してきた。また、同社は、汎用的なEVスケートボード型シャシーの上部に都市の空間を搭載して、シェア、移動、レイアウト、連携を可能にする「移動空間」というコンセプトを打ち出している。搭載する都市空間の例としては、レストラン、小売店、フィットネスジム、ホテル、カフェなどがある。EVスケートボード型シャシーには、レベル4の自動運転技術「PIX Rover汎用自動運転システム」を搭載しており、MaaSやスマートシティ領域でのさまざまな実用化が期待されている。
TISは、事業活動を通じた社会課題の解決の分野として「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」「金融包摂」「健康問題」を掲げている。PIX Moving社との資本・業務提携は、特に「低・脱炭素化」「都市への集中・地方の衰退」の解決に貢献する事業と考えているという。
また、TISは、グローバル戦略において最先端技術の獲得と市場への投下を重要な施策として推進している。今回の提携でも、PIX Moving社とTISインテックグループ各社が創り出すサービスを、日本、中国、およびASEAN地域に展開していく予定だ。
まずは、中国市場において、TISと同社グループの中国現地法人の提愛斯数碼(上海)有限公司(以下、TISI上海)とPIX Moving社の3社が共同で、MaaS関連のITサービスの構築・提供を行う。
具体的には、PIX Moving社が、先行領域として介護施設、オフィスビル、工場などを対象に、屋外で稼働するサービス型自動運転EVを開発する。そして、TISが開発提供するロボットの統合管理プラットフォーム「RoboticBase」にて、屋内のロボットやビル設備も含めた統合管理を実現する。
これにより、屋内外をまたぐ、複数・異種の自動運転EV、ロボットを活用した利便性の高いサービスを提供できる。例えば、屋外の自動運転EVによって運ばれた荷物を屋内の配送ロボットが受け取り、施設内の利用者に渡すなどだ。
さらに、TISは、PIX Moving社が開発する自動運転EVに、TISの強みである決済やXR等のサービスを組み合わせた新たなサービスも開発していく予定だ。そして、中国で実績を積み重ね、それをもとに日本、およびASEAN市場に向け関連サービスの拡大を目指すと述べている。