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東京海上日動ら、蓄電池劣化診断等の管理技術事業化に向け協業開始

2022/10/26(水)

東京海上日動火災保険株式会社(以下、東京海上日動)らは、蓄電池管理技術を事業化するための協業を開始した。2021年9月21日付のプレスリリースで明かしている。
地球温暖化・気候変動を背景に、あらゆる産業で低炭素化・脱炭素化に向けた動きが進展している。東京海上日動と東京海上ディーアール株式会社(以下、東京海上ディアール)は、再生可能エネルギー事業を対象とする保険商品・サービスの開発やリスクコンサルティングの提供を通じて、脱炭素社会への移行に向けた取り組みを支援してきた。

また、両社は、産業の成長・発展に貢献することを目指して、2021年2月にはグループ横断の「グリーン・トランスフォーメーション(GX)タスクフォース」を設置した。そして、ユーザーと共にカーボンニュートラルの実現・脱炭素社会への移行に向けた歩みを着実に進めるための支援を行っている。

再生可能エネルギーの普及にあたって、電力を有効活用するための蓄電池が不可欠となり、今後、蓄電池を安全に利用するためのリスク評価や性能保証、電池のリユースなどの需要が拡大することが予想される。一方で、現状では蓄電池リユースに関連した規制・制度は存在せず、蓄電池の二次利用などは限定的な活用に留まっている。

このような中、東京海上日動と東京海上ディーアールは、蓄電池の非破壊計測技術(インピーダンス法)を活用した研究・開発を行っているEC SENSING株式会社(以下、EC SENSING社)と協業した。EC SENSING社は、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の研究開発成果を社会実装する目的で設立された大学発のベンチャー企業だ。3社は、同技術の研究・開発を進める早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構と連携しながら、蓄電池のさらなる普及を推進するための新しいサービス・ソリューションを共同で開発していくという。

今回の協業では、東京海上日動と東京海上ディーアールは、EC SENSING社および早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構と研究・開発で連携しながら、「蓄電池の劣化診断を起点とした事業」、「蓄電池のストレージサービスに関わる事業」、「蓄電池データのオープンプラットフォームに関わる事業」を推進する。

「蓄電池の劣化診断を起点とした事業」では、蓄電池の需要が拡大していく主要なマーケットにおける蓄電池の劣化診断やリスク管理サービス、新たな保険商品の開発・提供を目指す。想定しているマーケットは、xEV※1向け、再エネ事業者向け、企業・家庭向け、リユース事業者向けなどだ。

※1 電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車の総称
「蓄電池のストレージサービスに関わる事業」は、再エネ事業などで利用される蓄電池において、ESaaS(Energy Storage as a Service)※2と呼ばれるストレージサービスを手掛ける。これにより、オペレーション業務を含めた業容の拡大を目指す。

※2 エネルギーの貯蔵・管理の機能を一括してサービスとして提供する事業。(プレスリリースより)
「蓄電池データのオープンプラットフォームに関わる事業」では、蓄電池の劣化データを含む関連データを広く収集する。そして、蓄電池の製造業者、機器ユーザー事業者にとどまらないさまざまな事業者へのデータ提供から、新しいソリューション・サービスを生み出すオープンプラットフォームビジネスの確立を目指す。

これらの事業では、東京海上グループがもつ企業の事業活動に関わるリスクデータやデータ解析の知見と、早稲田大学およびEC SENSINGが保有する蓄電池やエネルギーマネジメントに関連するコア技術・知的財産権を活用する。そして、蓄電池に関わる高度なリスクマネジメント・性能評価の開発・提供を行っていく予定だ。

なお、3社は、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構と共同で研究・開発を進め、それぞれの技術やノウハウを提供し合い、強みを生かしながら蓄電池管理技術の実用化・普及に取り組んでいくという。また、脱炭素社会の実現に貢献するため、幅広い業界・分野にサービスを提供するデータのオープンプラットフォームビジネスの構築を目指すと述べている。

(出典:東京海上日動 Webサイトより)

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