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TRUST SMITH、複数AGVを同時に動かす群制御システム開発

2021/8/3(火)

TRUST SMITH株式会社(以下、TRUST SMITH)は、複数のAGV(自動搬送ロボット)を同時に動かす群制御システムを開発した。7月30日付のプレスリリースで明かしている。
近年、製造・物流現場における人員不足が深刻な問題となっている。この課題を解決すべく、製造・物流現場にもDXの普及が徐々に広まりつつある。TRUST SMITHでは、これまでリフト式AGVのハードウェアの開発を行い、製造・物流現場の課題解決に貢献してきた。今回開発したのは、複数台のリフト式AGVを同時に動かす「群制御」のソフトウェアだ。この技術により、製造・物流現場における人手不足の解消、運搬業務の効率化、作業者の負担軽減への更なる貢献を目指す。

今回開発した群制御最適化アルゴリズムでは、自律走行により、荷物の運搬を行う複数台のリフト式AGV同士の衝突を安全に回避する。同時に、全てのAGVの移動経路長合計が最小になるようなタスクの割当及び経路生成を行う。

同技術の特徴は、「複数のAGVの移動経路長の削減」「AGV同士の衝突防止」「高速化」「即時対応」の4つだ。同アルゴリズムを用いてAGVを稼働させた場合、ランダム割当と比べ、35%の経路長削減に成功した。条件次第では、最大で50%程度の経路削減に貢献する可能性があるという。また、AGV同士の接近時には、強化学習AIを局所的に用いることにより、動的なAGV同士の衝突防止を実現した。

さらに、前処理としてあらゆる出発点から終着点までの最短経路のデータを圧縮し保存する。これにより、計算量を削減し高速処理が可能だ。移動中の人間に対して配送を行うなどの配送先が動的な場合においても、AGVは最適経路の追従を高速に行うことができる。新たな運搬の指令を追加した場合にも、最適経路データベースを用いて運搬終了時刻を推定し、最適な割当を高速に行うことができる。

なお、トラストスミスは、本技術の開発を、長期的な完全自動倉庫の実現に向けた重要な鍵となる取り組みだと位置付けている。今後はAGV群制御システムを、同社が開発中の荷物のピッキングシステムと組み合わせる。これにより、物流倉庫内の省人化やスペース効率の向上に貢献する。また、同社は、ハードウェアを含めたあらゆる技術を自社で開発しインテグレートしていくことで、幅広い物流現場での導入を目指すと述べている。


シミュレーションの様子

ID:各AGVのID

S(ブルーのブロック):荷物ピックアップ地点(スタート地点)

G(ピンクのブロック):荷物デリバリー先地点(ゴール地点)

Step:タイムステップ

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