【特集】マイカー8割の市が「普通免許の自動運転バス」でまちの活性化へ
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2026/4/7(火)
兵庫県北部に位置する養父市(やぶし)は、自動運転バスの実証実験に取り組んでいる。2月20日には、昨年から実施していた一般向けの試乗期間が終了した。まちを走行したのは、エストニア製の小型EV「MiCa(ミカ)」。コンパクトさが特徴の車両だ。
高齢化と担い手不足に直面するなか、養父市は地域唯一の路線バス事業者である全但バスと連携しながら、自動運転を地域交通の新たな手段として根付かせようとしている。同市の取り組みを追った。
(取材・文/LIGARE編集部 和田翔)
高齢化と担い手不足に直面するなか、養父市は地域唯一の路線バス事業者である全但バスと連携しながら、自動運転を地域交通の新たな手段として根付かせようとしている。同市の取り組みを追った。
(取材・文/LIGARE編集部 和田翔)
■マイカー依存の高い状況下で、公共交通をどう維持するか
養父市は2004年に八鹿町・養父町・大屋町・関宮町の4町が合併して誕生した、兵庫県北部に位置する自治体だ。氷ノ山(ひょうのせん)や鉢伏山(はちぶせやま)などの山に囲まれて積雪の多い土地柄で、神戸・大阪からは車で約2時間圏内にあるため、シーズン中は周辺のスキー場が活気を見せる。2014年には国家戦略特区に指定され、農業振興や6次産業化で地域経済の活性化も進めている。一方で、約2万人※が暮らすこのまちでは、住民の移動手段の約8割をマイカーが占め、残りの2割をバスと鉄道が担う。人口減少や高齢化が進むなか、日常の移動や公共交通の維持が課題となっている。
※2026年2月末日時点で20,408人(参照:養父市Webサイト)
■ライドシェアと自動運転のターゲットの違い
こうした課題への対応策として、養父市はかねてから独自のモビリティサービスを模索してきた。象徴的な取り組みが、2018年に開始した「やぶくる」だ。地域住民が登録ドライバーになってマイカーによる迎車・移動サービスを提供※しており、主に市民の生活の足として機能している。このモビリティサービスは、国家戦略特区の特例制度を活用して実現した「限定的なライドシェア」といえる。※運行管理はタクシー会社が担い、運営はバス会社、タクシー会社、観光団体、地域の自治組織、行政が一体となったNPO法人が担っている。
モビリティサービス「やぶくる」が少人数向けのドアツードアの移動を担う一方で、養父市が自動運転バスの実証実験に乗り出したのは2024年度のことだ。市内にあるJR山陰本線の養父駅と八鹿駅、あるいは病院や商店までをつなぐ生活の足として、路線バスは重要な交通手段に位置づけられている。
しかし「自宅の近くにバス停がない」といった理由で、結局はマイカーに頼らざるを得ないケースも多い。前述したやぶくるは、こうした課題への選択肢ではあるものの、定時定路線で走るバスとは性質が異なる。養父市が目を向けるのは、こうした移動の不便さの解消だ。
さらに、移動の不便さの背後にはもう一つ根深い問題がある。市内で路線バスを運行する唯一の事業者である全但バスではドライバー不足が年々深刻化しており、将来的な路線維持への不安が生じている。
「高齢者の移動手段の確保と、バスのドライバー不足への対応策として、自動運転の導入を検討しはじめました」と、養父市の担当者を務める富田氏が語るように、多くの自治体が悩まされている課題の解決を目指したのが、取り組みの出発点だった。
■なぜエストニア発の車両が採用されたのか?
実証実験に投入した車両は、BOLDLYの「MiCa(ミカ)」。エストニアのAuve Tech社が製造した全長4.2mのEVだ。最高速度は時速20km未満で、あらかじめ作成した3Dマップ上をLiDARやカメラなどのセンサーで照合しながら走行する。※このコンテンツは法人プレミアム会員様限定公開です。会員の場合はログインしてください。
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