会津若松市のMaaSプロジェクトで、ダイナミックルーティングバスを運行【みちのり・Via】
2021/2/15(月)
会津Samurai MaaSプロジェクト協議会、会津若松市、会津乗合自動車株式会社(以下、会津バス)、株式会社みちのりホールディングス(以下、みちのりHD)、Via Mobility Japan株式会社(以下、Via Japan)は、ダイナミックルーティングバス「MyRideさわやか号」の実証実験を開始する。
同実験は、会津若松市の「新モビリティサービス推進事業」の一環として、会津Samurai MaaSプロジェクト協議会が会津バスに事業委託して実施するもの。
同実験は、会津若松市の「新モビリティサービス推進事業」の一環として、会津Samurai MaaSプロジェクト協議会が会津バスに事業委託して実施するもの。
■MaaSプロジェクトで地域交通の利便性向上を図る
「会津Samurai MaaSプロジェクト」とは、ICTを積極的に活用した”スマートシティ会津若松”を目指す同市の交通分野における取り組みだ。官民連携でMaaS実装を目指し、地元交通事業者・大学・企業・自治体などを中心に、2019年7月に協議会として発足した。会津若松市と会津バスでは、金川町・田園町住民コミュニティバス運営協議会と連携し、2014年から住民コミュニティバス「さわやか号」を運行してきた。
今回の実証運行では、現状の定時・定路線の運行で満たしきれない移動需要への対応および需要の創造、そしてダイナミックルーティングシステム※の運行効率化の効果検証を行う。さらに、同システムをより広範囲に導入することもあわせて検討する。
※ダイナミックルーティングシステム:利用希望者が専用アプリから出発地、目的地、予約人数を指定して乗車予約を行うと、その予約内容や他の乗客の予約内容、道路混雑状況などに合わせてAIが最適な運行ルートやスケジュール(ダイヤ)を算出するシステム。
■Viaが開発したシステムを採用
今回、ダイナミックルーティングサービスは、グローバル市場でオンデマンド交通システムを提供しているVia※が開発する。標柱のないバーチャルバス停(VBS)を含むバス停を多数設定し、専用アプリ「MyRide さわやか号」での乗車予約に対して最適な運行計画をリアルタイムで算出する。※今回実証に参加するのはViaグループの日本法人であるVia Mobility Japan
ダイナミックルーティングバス「MyRide さわやか号」(定員8名のジャンボタクシー)は、金川町・田園町の住民や会津若松市のスマートシティ拠点である「AiCT」の勤務者、市役所利用者を対象にサービス提供を行う。利用コードを配布し、専用アプリを通じて利用できるようにする。利用者は、専用アプリで通知したバス停で乗車し、目的地から最寄りのバス停で降車する。また、アプリ画面で、乗車するバス停(既存またはVBS)までのルートや、乗車する車両の現在位置・到着予想時刻、車両情報(ナンバープレートなど)を確認可能だ。乗車後は、車両のリアルタイムの位置と目的地への予定到着時刻も確認できる。
■利用ニーズに沿ったルート設定で利用者増めざす
会津若松市では市内でも高齢化率の高い金川町・田園町で、スマートフォンの貸し出しや使い方教室などをこれまでに実施しており、今回の実証事業においても専用アプリの使い方をレクチャーする。また同時に、同エリアの住民が頻繁に利用する病院や商業施設にはサポートデスクを設置し、スマートフォンを所有していない住民や利用コード非対象のゲストに、専用アプリでの予約をサポートする。従来のコミュニティバスは便数・ダイヤ・乗降場所ともに限られていたが、今回、オンデマンドシステムにダイナミックルーティングを加えてより利便性を向上させたことで、利用頻度の増加を見込んでいる。朝晩は市役所・Aictへの通勤、昼間はショッピングセンターへの買い物というニーズにそったエリア設定により新たな利用者が増えることも期待している。
実証運行期間は、2月15日から4月9日の平日のみで、対象エリアは、会津若松市内、朝晩:市役所・AiCTシフト 昼:金川町・田園町シフトの3つ。乗降場所は、185カ所(既存バス停:100カ所 VBS:85カ所)に設ける。
予約時間帯は、7:30から19:30。料金は、1乗車あたり大人400 円/小人200 円。2,500円の1カ月定期も販売する(さわやか号との共通定期)。なお、実証期間中も従来の「さわやか号」は運行する。