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ボッシュ、トラック向けパワートレインや燃料電池システムの見通し発表

2022/9/22(木)

ボッシュは9月19日、未来のトラック向けパワートレインや燃料電池システムについての見通しを発表した。
同社は、世界の運輸・物流業界が抱える課題として、気候変動、コスト上昇、ドライバー不足を挙げている。そのため、気候変動に左右されない貨物輸送の実現に向けて、パワートレインの製品ポートフォリオを拡大している。

同社は、2025年時点で重量6トン以上のトラック全体の80%以上が、依然としてディーゼル車であると予測している。その後、パワートレインの多様化が進み、2035年までには新型商用車の半数がハイブリッドを含むバッテリーEVもしくは水素を動力源とする電気自動車になる見通しを示した。

同社は、そのような見通しから、3400名ものエンジニアが未来のトラック向けパワートレインの開発に取り組んでいる。電動パワートレインについては、既に複数のメーカーから30件におよぶ大量受注を獲得しているという。

また、同社は、2025年までに4万台以上のボッシュ製燃料電池システムを市場に投入することを目標としている。この目標の達成のために、スタック自体も自社で製造しており、特にアンダーソン(米国)、無錫(中国)、バンベルク(ドイツ)の工場において、グローバルな生産能力を確立している。さらに、水素エンジンにおいても、制御ユニットと燃料噴射テクノロジーを開発しており、すでにインドで主要なプロジェクトを獲得している。

くわえて、同社は、ハイブリッドを含むバッテリーEV、および燃料電池パワートレインも提供している。特に、重建設車両や農業機械向けの代替パワートレインにおけるギャップを埋めるために、水素エンジンという選択肢も取り入れている。

ボッシュのモビリティ ソリューションズ事業セクターの今年の売上高は、現時点で為替調整後6%増となっているという。売上高の4分の1は、小型商用車から40トントラックに至るまでの商用車向けテクノロジーが占めている。また、パワートレインに加え、運転支援システムとネットワーク化も、ボッシュの商用車向け事業の柱となっている。

また、同社では、1100名のエンジニアが自動運転に取り組んでおり、ソフトウエア、センサー、車載コンピューター、アクチュエーターをワンストップで提供している。2030年までに高速道路におけるドライバーレス運転の実現を目指す。2025年には、センサーデータをリアルタイムで処理できる車載コンピューターを、欧州のトラックメーカーにて大量生産する予定だ。

さらに、同社は、将来の商用車のE/Eアーキテクチャを大幅に強化し、ソフトウエアデファインドトラックの基盤を提供する。自動運転に向けた道筋では、運転支援システムで好調な業績を上げている。特に、トラック向けのコーナーレーダーセンサーは、今後数年間で40%の成長が見込まれている。これに対し、同社は、60%近い成長を見込んでいる。

なお、これらの同社の取り組みは、商用車による交通事故を防止するための法的要件を含む、さまざまな要因によって推進されている。たとえば、ターン アシスト機能は、2024年から欧州では必須の機能になる。

また、同社は、物流管理プラットフォームの導入について、アマゾン ウェブ サービス(AWS)と協力し、サードパーティのサービスも一元管理できるソフトウエアプラットフォームの運用に取り組んできた。これらのソリューションを統合することで、業務効率の向上に貢献する。これにより、世界中の物流会社や貨物運送業者は、ワンストップのデジタルサービスに素早く簡単にアクセスできるようになる。

ほかにも、ボッシュ サービス センターは、年間3~4万台のトラックに積み込まれている重要な物資や医療上不可欠な物資を監視している。同社は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックの間、ワクチン出荷の監視も担当した。また、トラックの駐車スペースを予約できる、トラック向けの安全駐車サービスも高い需要があるという。同社は、既に欧州11カ国の高速道路沿いに、100箇所の適切なエリアを提供している。2021年だけでも予約は3倍になった。さらに、2023年に発売予定の商用車向けキーレス アクセス システムの後付けソリューションを含めたサービスラインナップを拡充している。

■ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー兼モビリティ ソリューションズ事業セクター統括部門長のマルクス・ハイン氏のコメント
「クライメートアクションが、貨物輸送をより多様化しています。代替パワートレインが今後10年間でボッシュのビジネスを大きく成長させると期待しています」
「特定の技術に依存しない技術中立的なアプローチは、商用車において特に有効です。用途に応じて、トラックのパワートレイン向けに複数のクライメートニュートラルな選択肢が用意されるでしょう」
「深刻なドライバー不足により、自動運転の開発が加速しています。商用車ほど自動運転が経済的に理にかなっているものはありません」
「今後、数週間以内にインドで物流管理プラットフォームを導入し、来年の初めには欧州と米国で導入する予定です」

(出典:ボッシュ Webサイトより)

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